No.178 韓国船遭難救護 2016(平成28)年4月号掲載


 

 福井は日本のドマン中「日本のヘソ福井」第178回目は「韓国船遭難救護」の話です。先日日本とトルコ合作の映画「海難1890」が公開されました。 映画は、明治23 年(1890 年)にトルコ船が難破して和歌山県大島の島民が救助した史実を基に作られたものです。 同じ様に福井県でも外国船を救助した物語があります。明治33 年(1900 年)に韓国籍の船「四仁伴載」が93 人の乗組員を乗せロシア・ウラジオストックを出航。 しかし、厳冬の日本海で遭難したところを漁村・泊(とまり)村の村民に救助され、93人は全員無事に帰国することが出来ました。

 沖に遭難した漁船を見つけた村民たちは、うねる波の中、小船を出し人々を岸まで運び、乗員を各家に分宿させ手厚くもてなしました。 泊村を離れるとき、村民も乗員も、親子兄弟のように涙を流して別れを惜しみました。乗員たちは「このもてなしの心を忘れません」と言葉を残し、帰国の途についたのでした。

平成12 年(2000 年)1 月、当時の韓国船員・泊村民の子孫らが100 周年記念事業と、21 世紀の日本と韓国の友情と平和を祈念して「韓国船遭難救護の碑」を泊村に建立し、絵本「風の吹いてきた村」(日本語、韓国語併記)を出版しました。 碑には日本語、韓国語で「海は人をつなぐ、母の如し」と刻まれ、現在では韓国の高校生が毎年訪れています。

 泊村の人々は、遭難した人たちに十分な食事と暖を与えましたが、言葉が通じない中で、なんとかお互いの習慣の違いを理解し、別れを惜しまれる程にもてなしました。そんな泊村の方々を誇りに思います。