No.183 へしこ  2017(平成29)年7月号掲載


 

 福井は日本のドマン中「日本のヘソ福井」第183回目は「へしこ」の話です。“へしこ”とは福井県・若狭地方の伝統料理で魚の糠(ぬか)漬けのことです。最も有名で、生産量がトップなのは鯖の“へしこ”です。作り方は、まず鯖を開いて内臓やえらを取り除きます。それをいったん樽で塩漬けし、約1年間かけて熟成して“へしこ”となります。この独特の珍味は、全国的にも注目の逸品です。糠をつけたまま軽く炙ると独特な風味と香ばしさが口の中いっぱいに広がります。お茶漬け、刺身、お寿司のネタ、更にはスパゲティやピザの具などに使われています。

 “へしこ”はその昔、魚の腐敗を防ぎ、長期保存するための保存食として作られ、江戸時代の中期にはすでに作られていました。また“へしこ”の語源は、重石をかけて漬け込むことを「圧し込む(へしこむ)」と言ったことからと言われています。

 産地である若狭地方は、かつて帝に食べ物を供する国として、「御食国(みけつくに)」と呼ばれ、「鯖街道」を通って京の都へと運ばれていました。都では“若狭ブランド品”として他の地方のものと区別され「若狭もの」と呼ばれ、都の人たちに珍重されていました。そして現代、若狭地方の“へしこ”が全国から人気が高まっています。是非一度お試し下さい。特にお酒を飲まれる方には、晩酌のお供に最高です。