No.33 福井のお水が奈良へ 1988(昭和63)年3月号掲載


 福井は日本のドマン中「日本のヘソ福井」第33回目は奈良東大寺の「お水取り」の水は、 実は福井県小浜市の神宮寺が送り出す「お水」というおはなし――。

 この「お水送り」という神事は、3月2日に小浜市の神宮寺とその近くを流れる遠敷川鵜の瀬で毎年、 厳かに繰り広げられます。
この「水」が日本列島の地下をどんどん進み10日かかって、3月12日奈良は東大寺に到着、 そこで盛大に「お水取り」の神事が繰り広げられたとか。
この神事は東大寺の修二会(しゅにえ)に遅刻した若狭の遠敷明神が、 おわびに清水を送ったのが始まりと伝えられ、若狭の地方に春を告げる神事として広く知られています。
この神宮寺から送られる水は「お香水」といわれ、白装束山河住職が祝詞を読みあげ、 竹筒に入れてある「お香水」を遠敷川にしたたらせることで、神事は終わります。
その水が10日間かかって奈良は東大寺へ到着するという伝説は、 いにしえのロマンを現代に伝えたものですが、まさに日本のヘソ福井にふさわしい話ではありませんか。
日本列島のヘソからそそがれた「お香水」が別の所から、泉のように出てくるという話は大変、 味のある話と思っているのですが、いかがでしょう。