No.36 越前和紙 1988(昭和63)年9月号掲載


 福井は日本のドマン中!「日本のヘソ福井」第36回目は、1500年の歴史的背景がある 「越前和紙」のおはなし。

 越前和紙のふるさと今立町は、福井県の中央部、武生(たけふ)盆地の東の一角にある水清く、 北陸の清浄な大気に恵まれたところに位置しています。
1500年前の奈良時代の正倉院文書の中に見ることができる越前和紙は、 越前奉書と銘打たれた宮中御用の教書紙として、写経をはじめ詩、歌、 書道など文化の隆盛とともに、その声価を高められました。
徳川幕府の保護奨励により、その後は製紙技術が飛躍的に進歩し、漉き合わせ美術工芸紙や 墨流しなどが発明改良され、越前和紙のふるさと今立は五筒地区(不老、大滝、岩本、新在家、定友) が近世になり質量ともに日本随一の和紙産地として発展してきています。

 楮(こうぞ)、三椏(みつまた)、雁皮(がんぴ)等を主原料とする手漉き和紙と、 手漉き和紙の風合いを織り込んだ機械漉き和紙は、越前和紙の文化を充分にとりいれ、 襖紙・壁紙や美術小間紙として、奉書紙や証券紙、画仙紙など数多く生産されています(年間80億円強)。
特に手漉き和紙は全国生産の20%を占めるなど、和紙の里、福井の今立町は本当の意味で 日本の伝統を守り文化経済の向上に大きく役立っていると申せましょう。
紙は文化のバロメーター。
日本のヘソ福井にもこんな文化が1500年前から生き続けています。