No.58 河内赤かぶら 1992(平成4)年5月号掲載


 福井は日本のドマン中!第58回目の「日本のヘソ福井」は美山町の特産品「河内赤かぶら」のおはなし。

 美山町は県都福井市のほぼ東南東に位置する、福井県のちょうど真ん中あたり。
地勢は概ね急峻な山地で、500〜800m級の山々に囲まれており、冬期は平地で1m、 山間部では1.5〜2.0mの積雪があります。
また総面積の約90%が山林で、耕地はわずか4%という”山あいの町”です。

 この美山町の河内地区では、800年とも1200年前からともいわれる「赤かぶら」が 特産品として栽培されています。
周囲の山並みの紅葉が深まる11月から12月初旬にかけて収穫される「河内赤かぶら」は、 表面の肌は勿論、中まで深紅という珍しいものです。
この起源は平家の落人が河内に住みつき、平家のシンボルである赤色のカブを村人に伝えたといわれ、 河内地区しか育たない不思議なもの。
丸ふっくらとした豊かな形や、みずみずしさ、さらにその歯ざわりの良さは「赤かぶら」こそ、 とアピールされるものうなずけます。

 昔から「河内赤かぶ」のほかに、「飛騨紅かぶ」や山形の「温海かぶ」と3大紅かぶがありますが、 1000年を超えるともいわれる歴史的な背景から、美山の「河内赤かぶ」の種子が伝播されて 飛騨や山形で育てられたとか。
天然の山菜として元祖、河内の赤かぶらは、必ずや食される方々の自然への郷愁に応えられるもの。
日本のヘソ福井県、その福井県の中央で収穫される「河内赤かぶら」をぜひ一度ご賞味あれ。