No.70 カツ丼の元祖・福井 1994(平成6)年5月号掲載


 福井は日本のドマン中!「日本のヘソ福井」第70回目は「カツ丼の元祖は福井」というおはなし。

 カツ丼といえば、丼物の代名詞とよべる程よく知られていますが、福井のカツ丼は、 全国的に普及している「玉子とじカツ丼」より、どちらかといえば「ソースカツ丼」が常識です。
このソースカツ丼の生みの親は、福井出身の高畠増太郎さんであるということは、 あまり知られていません(文春文庫「ベストオブ丼」1990年刊)。

 福井市はネオン街の中心である片町に、高畠増太郎さんが大正13年に創業した店が現在、 「ヨーロッパ軒総本店」という看板を掲げ繁昌しています。
高畠さんがドイツ・ベルリンにある日本人倶楽部で、6年間の料理研究の留学を終え明治45年に帰国。
ドイツ仕込みのウスターソースを日本人の味覚にマッチするよう苦心を重ね、 創案したのが翌大正2年、東京で開かれた料理発表会で披露した「ソースカツ丼」でした。

 このソースカツ丼の作り方は、薄くスライスしたロース肉を、きめ細かなパン粉にまぶし、 次にラード・ヘッドでカラリと揚げたカツをウスターソースをベースに 各種の香辛料を加えたタレにつけ、それを熱い御飯に盛った丼です。
さっぱりした口当たりと、特製ソースのまろやかな味が好評で、 福井でカツ丼といえばやはりソースカツ丼。
一度、試食されてはいかが――。