No.71 越前打刃物 1994(平成6)年7月号掲載


 福井は日本のドマン中!「日本のヘソ福井」第71回目は、刃物業界で初めて国の伝統的工芸品の 指定を受けている「越前打刃物」のおはなし。

 1337年、南北朝時代に京都栗田口の刀工師、千代鶴国安が刀剣製作に適した地を求め、 府中(現在の武生市)に来往した際、近郷の農民のために鎌を作り、 その優れた技法を土地の鍛治師に伝授したのが、「越前打刃物」の起源とされています。
武生は「古志国」(越の国)として早くから開け国府が置かれ、 北陸地方の政治・経済・文化の中心として栄えました。
当時、周辺は広大な農山村地帯であったため鎌の需要は盛んで、そして、江戸時代に入ると 福井藩の保護政策のもとに、販路は全国津々浦々におよびました。

 時を超えて継承された日本古来の火づくり鍛造技術、千代鶴国安が考案したと伝えられている 廻し綱焼付けなど、手仕上げを守り続けてきた伝統と品質が実証され、 昭和54年に国の伝統的工芸品の指定を受けた「越前打刃物」。
現在、越前打ち刃物には13人の伝統工芸士がおり、包丁や鎌、刈込鋏など 伝統700年の切れ味を武器に武生市の特産として、全国の人々に喜ばれています。

 その武生市には、マツウラ武生工場があります。
武生工場へお出かけの折には、職人気質が生み出す切れ味の鋭い越前打刃物を、 是非一度、実感してください――。