No.85 地べたの大野・七間朝市 1996(平成8)年11月号掲載


 福井は日本のドマン中!「日本のヘソ福井」第85回目は、生活と土に密着した「地べたの大野、七間朝市」のはなしです。

 最近の観光ブームに乗って日本のあちこちに、生活や土に密着していない「見せもの」や「観光」 のための朝市が大流行ですが、福井市から東へ約34.5kmにある北陸は小京都、大野市の七間朝市は、 正に生活と土に密着した「地べた」の相対商いの元祖、朝市がすでに400余年の歴史で生き続けています。

 越前は大野の朝市は、福井市で「地べた」という言葉で通じる路上での相対市場です。
自然が息づく大野盆地の新鮮な野菜や山菜など、安くて新鮮で買得な商品を、地元の「おばちゃん」が 大野言葉で面白く商売しているところが、大野七間朝市の青空市場の見どころでしょう。

 この市の姿は日本古来の有名な絵巻物にも描かれており、朝市のルーツとしては中世までさかのぼります。
七間通りの朝市は、天正時代のはじめ金森長近公が町づくりのおり、七間町を市場通りと定めたのが始まり。
階級意識の厳しかった江戸時代でも、藩主土井公は行列のために市日を変更したり、 商いの妨げになるような命令は出したりせず朝市の奨励につとめたようです。

 この伝統が今でも続き、春分の日から大晦日まで毎朝7〜10時頃、農家の主婦たちが丹精込めて育てた 農産物や山で採れる自然食品を、路上のゴザに所せましと青空直売市。
くったくのない笑顔のオバチャン達との会話がはずむ、この朝市は生活と土に密着した「本物の朝市」とし、今や注目されています。