No.102 F-1型企業へ 1999(平成11)年7月号掲載


 マシンとドライバーの極限に近い技量を競い合う自動車レースの頂点に立つ世界的なF-1 (フォーミュラ・ワン)レース。
2週間毎に世界各地を転戦するこのレースは「2週間の中に問題点の全部を解決して、 次のレースで勝てる状況まで持っていかねばならない」という過酷なレース。
普通では考えられない問題解決に、すばやく的確に対応することをこのレースは要求しています。

 さて、いま急伸中な産業にIT(インフォメーション・テクノロジー)が注目されています。
米国が'90年代初めに国家の威信をかけた、情報スーパーハイウェイ構想の基幹となっているのが、 このIT産業。
米国の競争力強化と経済発展のために、大量の情報を高速で伝達する通信ネットワークを、 インフラとして整備しようという構想こそが、米国の産業と経済に大きなインパクトを今、 与えています。
これに関わっているのが、若いハイテク企業に代表されるナスダック(NASDAQ)の株価や、 IT産業を新たに組み入れたニューヨークダウ株価が証明しています。

 このようにIT産業が、大きく伸びているのは、「急速な変化に、すばやく的確に対応するため」 に世界中が、誰よりも早く確実な情報を必要としているからでしょう。
この変化に対応するには、「スピード性」すなわち「トップの俊敏な決断」が必須条件です。
トップのリーダーシップは勿論、過去を否定しながら、あらゆるトップ固有の情報源を駆使し、 常に動物的な感覚と人間性あふれる感性による、オーナーシップこそが、 いまの情報化社会に生き残れる唯一の方法と思います。

 こうみてきますと、2週間毎に世界各地を転戦していく「F-1レース」に、 私達はこれからの企業経営を学ぶことができましょう。
非常な変化に、すばやく的確に対応するには、決断が早く出来る、 オーナー企業が多い中小企業ではないのかと思います。
変化への対応という「俊敏な決断と行動」こそが、中小企業の生き残る一つの考えとして、 熟考する良い機会ですね。