No.103 トーナメントによるサバイバル戦 1999(平成11)年9月号掲載


 8月末に発表された興銀、一勧、富士の三行統合は日本の金融界や経済界にとり、 久々の大きなインパクトを与えました。
この事業統合による新生メガバンクは、規模が世界最大なだけでなく、 2002年春には共同の持株会社により業務別銀行が創設され、 フルラインの金融サービスを提供する──。
過去のいきさつや系列などを超えた巨大な合従連衡は、世界的な金融大戦争に生き残れないという、 強い危機感が基本的な背景にあると言えます。

 このように、世界市場の生き残りを賭けた規模の力と収益力、 さらには競争力などを備えるための争いは、地球レベルで猛烈な勢いで進行しています。
特にこの2〜3年の生き残りを賭けた企業の合従連衡は、 インターネット等を核に情報通信技術を駆使したネットワークによる仕組みによって、 20世紀型の社会システムをそのまま21世紀へ移行することが否定されつつ、 既存の世界の秩序を破壊しはじめています。
これからの動きは今まさに緒についたばかり──。

 例えば、携帯電話に代表される移動体通信ビジネスのGSMとCDMA、 そしてIMT-2000などの熾烈な戦いや、ハイブリッドや燃料電池などの、 高効率化対応の自動車エンジンなどは好例でしょう。
これらは、21世紀のシステムとして芽がかすかに見えてきたものの、 まだ決めてには至っていません。
幸い日本も次世代技術への足がかりは持っているものの、日本語圏と高コスト体質が気掛かりです。

 こんな生き残りのための「勝つ戦い」には、自分自身のコアコンピタンスによる、 世界レベルの品質と技能を持った、世界市場に通用する商品づくりが、 私達に与えられた20世紀から21世紀に勝ち残る、唯一の道であると思います。

 「勝ち残り」。それこそ、総当たりによるリーグ戦ではなく、勝ち残り、 勝ち抜きによるトーナメント戦によるサバイバルゲームです。
このサバイバルゲームに勝つことこそ、私達が生き残る唯一無二の方法でしょう。
一回の負けも許されぬ「戦い」がすでに、開始されているのです。