No.104 米国景気の好調要因は―― 1999(平成11)年11月号掲載



 我が国の景気もようやく底打ち感が出て、先行き期待が持てるようですが、 米国は史上最長記録の更新も望める好景気を続けています。
一体アメリカで何が起きているのか、11月初旬にニューヨークを訪れて、私の友人や知人、そして現地の方々に会って、 いろいろ調査をしたのですが、特定するほどの結論はありませんでした。
アメリカの好景気が、これまでの景気サイクル論では説明がつかず、エコノミスト達も面目丸つぶれとの由ですが、 現地で少し気になることがありました。

 それは第一に、人口動態が不変で、基本的に現状と変わらない労働力人口と消費力人口が増加し、 2008年頃まで続くと予測されることです。
これは先進国中、アメリカとカナダが出生率2%強であり、さらに年100万人単位の働き盛りの移民を受け入れていることが、 主因といわれているからです。

 第二は、情報革命における、高生産性の維持が米国の優位を、さらに強めるだろうと言われ、 「市場メカニズム」の高度活用が今後2005年頃までリードし続け、 好景気でありながら物価が低位安定していると思われていることです。
特にインターネットの活用で、消費者が常に安い価格を、簡単にチェック出来ることが大きな要因と思います。

 第三に、他の国では絶対にない要因、米国内通貨の米ドルが基軸通貨である事です。
双子の赤字と言われた財政面は、巨額の黒字を生み、その使い道に民主・共和両党が争っており、一方貿易赤字は空前の、 今年3,000億ドルを超すものと予想されています。
これを気にせず、ひたすら好景気が維持出来るのは、自国通貨がそのまま世界に通用するからです。

 しかし、米国の史上最大の貿易赤字が引き金となって、ドルの信任が無くなれば、 貿易や経済などが大打撃になることが容易に予想されましょう。
その結果個人消費で70%を占めるこの国の経済は急降下を余儀なくされ、引いては世界経済を不況に引きずり込むでしょう。
そのようなことが起きないように、祈るばかりです。