No.162 「1対1」 2011(平成23)年7月号掲載


 暑中お見舞い申し上げます。

 震災の影響は、依然色濃く残ってはいますが、日本の産業界は厳しい中で力強く回復基調に入ってきているのではないでしょうか。

 さて、力強いといえば女子サッカーW 杯日本代表のなでしこJAPAN が、W杯優勝の快挙を達成しました。3 連覇を狙うドイツから延長戦の末勝利し、勢いに乗りスエーデンを撃破、決勝戦も延長戦の後半ギリギリで追いつきPK 戦で宿敵アメリカを下しました。
 どの試合でも1対1では、体格やパワーの点で圧倒的に劣るものの、スピードや走力を厭わない献身的なプレー、ここ一番で光るテクニックを駆使して、粘りに粘った上での勝利でした。そして、一番大事なところで、勝利に対する渇望がなでしこJAPAN の方がより強かったのだと思います。

 この「1対1」の話、会社の新卒採用の際に外国人と日本人との比較において最近良く聞く話題です。

 例えば、アジア圏出身の理系の留学生達は、母国語+英語(TOEIC800 点レベル)+日本語(1 級レベル)ぐらいの語学能力が履歴書に並ぶのは、至極普通となってきています。
 方や日本人の場合、こんなことをさらっと言える学生さんとはそうめったにお目に掛かれません。日本にも大変優秀な学生さん達が沢山居られるとは思いますが、なかなかアジア圏の学生さん達は驚くほど優秀です。

 なでしこJAPAN ではないですが、学生さん一人一人を1対1で勝負させたら、日本人は既に劣勢なのかもしれません。また、個人としての目標達成意欲やバイタリティの点では大きな差を感じます。但し、企業単位のチーム戦となれば、話にはまた別の側面が生まれます。なでしこJAPAN の様に目標を明確に共有化した日本人の団結した力が如何に素晴らしいかは、敢えて語るまでもありません。協調し、団結できる能力というのもこれはこれで素晴らしい能力です。一方で、もう少し勉強して人間的な基礎体力と能力を上げていかないと、近い将来のアジア勢とのガチンコ勝負では勝負にもならず、ほぞを噛むような結果になるやもしれません。

 サッカー解説者も良く言いますようにやっぱり基本は「1対1」ですから。