No.170 新工法 2013(平成25)年7月号掲載


  最近特にメディアの露出が高くなっているのが「3 D プリンター」。マツウラでも10 年以上前からこの積層造形分野の研究を重ねてきました。

 マシニングセンタは材料を削ってつくる切削除去加工ですが、それとは正反対で3 D プリンターは何もないところから材料を積み上げてつくる積層造形加工です。樹脂から金属系の造形機まで種類は色々ありますが、特色としてワーク形状の自由度が切削加工と比べて高いことが挙げられます。とは言っても、マツウラの5 軸制御マシニングセンタも実用的な自由度は十二分にありますので、こちらもどうぞお忘れなく!

 マツウラの金属光造形複合加工機LUMEX は、レーザーによる金属粉末の焼結加工と積層造形物の表面切削加工を織り交ぜるハイブリッド工法を用いています。非常に独創的な工法の製造装置でワーク形状に対する自由度が高いため何でも出来そうな感じがして多くの方の注目を集めています。切削、放電、鋳造等々、様々な加工方法がありますが、歴史的に見ても久々に登場した「新工法」と言えるのではと思っております。
その新工法の「肝」については、目に見える物理的な積層造形部分もさることながら、ものづくりの「デジタル化」にあると考えています。ここ四半世紀の間に伸展した産業界のデジタル化のスピードは驚くべきものでした。我々の生活にも急激にデジタル製品が普及してそれらはなくてはならないものになっています。

 そしてLUMEX はものづくりの世界において、全く別のビジネスモデルを可能とする真のデジタル化をもたらすのかも知れません。材料の粉末を選定し造形データをLUMEX にインプットするだけでOK。データを作成する場所とLUMEX を設置する場所は全く別でもOK。消費地に設備し遠隔地より造形データを送信すれば、輸送・在庫コストの削減にも繋がります。これらをシステムとして実現するには一定のインフラが必要ですが、もうそれ程難しい時代でもなくなってきました。

 扱っている我々が言うのも何ですが、今後10 年でこの工法がどのように発展していくのか興味深く思っています。勿論、その発展に我々もより一層尽力して参ります。