No.182 持っている人 2017(平成29)年1月号掲載


 昨年はBrexitで驚き、米国大統領選の結果で更に驚きましたが、今年はどんなことで驚くのでしょうか。 共和党候補トランプ氏がもし当選したらどんなに円高に進むのかと気を揉んでいたら、あっという間に円安方向に進み、世の輸出メーカーはほっと胸を撫で下ろしたものでしょう。 為替だけは中々読めるものではありませんし、そうかと言ってメーカーの利益に与える影響は大きく、どちらに行くにしても急激な変動だけは避けて頂きたいものです。

 米国社会は、如何にも政治慣れした民主党候補より、変革を求めて相当アクの強い財界人をリーダーに求めた訳ですが、トランプ氏は、中々どうして強運の持ち主なのでしょう。 大統領としてタクトを揮う前に、今後の景気刺激策に対する期待感から株価は上昇しました。また、選挙後の足許の経済成長率も2年ぶりの高水準に達し、住宅価格の主要指標も上昇しました。 OPECも減産を決めて原油価格も上昇に転じました。デフレからインフレ方向に経済の舵が切られつつあるように思えます。それだけ、期待感が強いということなのでしょうが、選挙前にどれほどの人がこの状況を予想していたでしょう。 トランプ氏は、強い星の下に生まれた、持っている人なのでしょうね。

 さて、福井の冬の味覚で有名なのがズワイガニですが、見た目はスマートとは言い難く、陸に揚げられ大きいハサミを振り回す様は滑稽な感じすら致します。 しかし、甲羅を外して中身をつつくと何とも美味なカニ味噌が詰まっています。トランプ氏も当初の見た目や仕振りはスマートさに欠けていましたが、開けてみたらなんとも旨い経済政策を実行してくれたりすると、これはとても有難いものです。

 昨年は、政治の変化が経済に強く影響を与えた1年でした。今年はどんな変化がもたらせるのでしょうか。景気浮揚期待からのドル高は、短期的にはプラスかも知れませんが、長期的には新興国でマイナス面が出る可能性もあります。 今後の世界経済の動きから目が離せない一年になりそうです。世界のどの国も傾向として、多くの人は閉塞感を打ち破るダイナミズム、それをもたらす変革に強い期待を持っていると思います。新しい変革や変化、マツウラも果敢に挑んで参ります。

 2017年が皆様にとっても良い年になりますよう、微力ながら頑張らせて頂きます。