No.19 AMS、AMCの時代へ 1985(昭和60)年9月号掲載


 松浦機械の生産システムの思想は、どんな時代にあっても常にその世の中の変化をとらえ、 マルチ型に対応できるアダプティブ・マニュファクチャリング・システム(AMS)にあります。

 と申しますのは、成熟化社会においては、もはや量の拡大はありません。
つまり『個』のニーズが高まり、これまでの『量』による製造側のお仕着せでは通用しなくなってきました。

 ところが、世の中では多種中小量生産の対応として FMS(フレキシブル・マニュファクチャリング・システム)とか FMC(フレキシブル・マニュファクチャリング・セル)化のおっかけっこをしているのが現状です。
このシステムは、いずれもいまの時代に沿ったものですが、同システムを導入できる企業は 数に限りがありますし、わが国産業を支える中小企業においては大規模投資を安易に 行うわけにまいりません。

 なぜならば、これからの時代の変化は、量でいえば大量の時もあるでしょうし数個の時もあります。
素材においては、鉄もあればアルミ、超硬合金も・・・さらに将来においては どんな材料が生まれてくるのか見当もつきません。
また、どんな新技術がでてくるのかも見通しがつかないのが実情です。

 このため、1つの機械でどんな加工にも適応できたり、量の拡大があれば複数台並べて 加工できるような、そんな適応性を持つ製品が必要になってきます。
素人の人でも玄人でも精度の高い加工をマルチに対応できる製品こそ、 いま最も求められているものといえます。

 たとえば、今春カメラ業界で一種の大きなインパクトがありました。
ミノルタカメラさんが発表されたαシリーズの新製品がそれです。

 このカメラは、プロはプロなりに素人はプロカメラマン並みに撮影できるところがミソです。
プロカメラマンは自分の主張を強烈に現すことからオートメ化されたカメラを嫌いますが、 ミノルタさんのαシリーズは、プロにも腕を発揮させる機能を有しているところが違います。
また、今まで一眼レフタイプの高級カメラは、素人には操作が難しく敬遠されていましたが、 このαシリーズは高級でありながらバカチョン機能も有する、最も時代に適応した製品といえましょう。

 ただ、見過ごしてならない点は、ただ単にユーザーニーズに迎合しているのでなく、 ミノルタさんの固有技術をキチンと生かしてあるところです。

 松浦機械は、この時代の問いかけを大事にしながら、松浦固有の技術をそこに積み重ねた、 より適応性の高い『AMS』をわが社の生産システムの原点としております。
ですから、松浦機械では、FMS、FMCないしはそれらを総称したFA(ファクトリー・オートメーション) という生産システムを生産するのでなく、適応生産システムともいうべき『AMS』ないしは、 同セルを現す『AMC』を提供するメーカーであり続けます。

 この方向性、ないしは哲学こそが、これからの時代に適応するポイントであり、 松浦機械にとってもユーザーさんにとっても勝ち残りのためのフィロソフィだと考えます。