No.45 人手不足と消費不足 1990(平成2)年1月号掲載


 最近はよるとさわると人手不足の話しでもちきりです。
人手不足は特に都市圏が深刻だといわれていましたが、一昨年あたりから、地方都市にもその影響がでてきました。
この人手不足は、内需景気が続いていること、数年後に実施される労働時間の大幅短縮などがベースになっているのでしょう。
今度ばかりは労使ともに労働時間の短縮に真剣にたちむかわざるをえないことになりました。

 この全国的な人手不足という現象は基本的に我国の人口動態が逆三角形になっており、若者が急速に 減少してきていることが原因でありましょうし、今後は21世紀に向かって一段と厳しくなるのでしょう。
具体的に予測されるのは2010年頃には15才〜60才の稼ぎ手は3人に1人の割合で老人を養うことになり、 その時には1世帯当たりの子供の数は0.9人になるといわれています。
そしてさらに問題なのは人手不足もさることながら忘れてならないのが消費不足が予想されることです。
特に若者を対象とした市場は急速に冷え込むことはまぎれもない事実でありましょう。
ブライダル市場や若者向けのスポーツカー等のような商品群は、急に量より質への転換を余儀なくされることは想像にかたくありません。
こうみてきますと現状の内需拡大、人手不足への対応もさることながら5〜10年先の変化を先取りしておくことも大切ではないのかとも思います。

 今や、アメリカンドリーム型のライフスタイルから離れ、 半導体、新素材、バイオ技術等をベースにした商品群による日本型ライフスタイルが始まりつつあります。
そしてこれを基に劇的変化する世界の市場をみきわめながら、国を活性化するのには、 その国のGNPに製造業が30%以上占めていることが重要だといわれています。
我々は常に世界市場を意識しながら独自の商品開発を行い、出切れば開発、生産、販売等も分け合って生きていく時代の幕開けを認識せざるをえないでしょう。

 こうみてきますと私たちは、日本市場における現実的な人手不足への対応も大切ですが、近い将来の 消費不足時代の到来への対応をも、しっかり考えておくことも忘れてはならないのでは、と思っています。