No.47 欧州の経済成長国、スペイン 1990(平成2)年5月号掲載


 「松浦さん、わがスペインの成長と発展ぶりを自分の目と耳で確かめられませんか」と、 かねてより当社スペインにおける販売代理店の社長フェロさんから何度と誘われていました、 スペイン旅行が5月の連休で実現しました。
そして訪ねたスペインの1週間、フェロさんと自動車で行動を共にし歴史や文化を確かめつつ、 現在のスペインとの接点、特にすばらしい成長発展ぶりの原動力を知ることが出来ました。

 その1週間の滞在中にスペイン人の物の見方や考え方で私は、2つの現象を目の当たりにしました。
1つは彼らの休暇のすごし方です。
丁度、マドリードで食事をすませ町中を腹ごなしをかねて、そぞろ歩きをしていたとき同行していたフェロさん。
「どうです。午前零時に近い時でも大勢の人達が歩いているでしょう。 ご覧なさいレストランやバーも活気があるでしょう。スペイン人は北の国の人達のように長い夏休み をとるために、苦しんで働き遠くまで出掛けて一度に使うなんてことはしないのですよ。 楽しめる時に楽しみ、毎日を過ごせば幸せだと皆が思っています。 この点でスペイン人は実に素朴だと思いませんか。」と。
今1つは、ガソリンスタンドのストライキが1週間に渡って始まる直前の対処方法です。
フェロさんは「とにかくスタンドが見えたら何度でも補給して、満タンにしておきましょう。 何が起るかわかりませんものね」とのアドバイスでした。

 この何でもない2つの現象は、スペインにおける歴史に根づいた生活観がにじみでており、 そんな新鮮な驚きになったのでしょう。
ローマ帝国やアラブ支配における700年間、そしてハブスブルグ家の支配など幾多の変遷をへて 15世紀には、コロンブスの新大陸発見に伴う巨万の富をえたあと---。
いままた欧州の発展途上国ないしは欧州版ニーズとまでいわれた、 この国スペインが過去の歴史と豊かな自然をベースに飛躍しています。
このバイタリティは1992年オリンピックと世界博を同時開催するという具体的な動きとなって 世界中へ表明、それらを成功させるため関連のインフラ整備に全力をあげている---。
しかし一方では、さめた彼らの生活観が日々を支え、ある意味ではゆとりさえ感じられるのは、 私達日本人のひがみかも知れません。

 いずれにしても、今の日本の立場や私達の行動や理念からみて、何か彼らが訴えているような 気がしてならないのが、スペインの旅でした。