No.48 お客様、ご満足ですか 1990(平成2)年7月号掲載


 「CUSTOMER SATISFACTION !」先日、ソニー本社に大賀則雄社長を訪ねたとき、ロビー受付けに さりげなく掲示されているポスターの標語です。
そのポスターは、ソニーの商品をアピールするものではなくて「それで、お客様は満足ですか?」 というものです。
私達がいつも思っている、お客様への思いやりや心くばりが本物かどうか、問いかけているようでした。

 本当に君はお客様への満足を確認しているのか、どうなんだとこの標語が入ったポスターをみて、 自問自答してみる、そんな行為を通じてソニーの経営理念を、さらりと表現しています。
誰が見てもわかる大胆で素晴らしいひとつの出逢いでした。
このポスターは私達の物づくりの基本理念と同じだと思います。
私達がつくった工作機械をお買いあげいただいたお客様1人1人が、本当にご満足いただいているのか。
この思いをこめつつ日夜努力しているつもりですが本当にそうなのか、 このポスターに書かれている言葉で、はたと考えこんでしまいます。

 日曜夜のNHKテレビ人気番組「百点万点」で、秋田県農業試験場の研究員が話していました言葉 「私は農家のさまざまな要望を聞いて米作りをしています。ひとつの新種を作り出すのに10年かかるんです。 新しい品種が生み出された時の喜びは大変素晴らしく、そのためにこの仕事を天職だと私は思っています」 も、またお客様への満足度につながるのではないでしょうか。

 仕事はそれぞれ違いましょうが、物作りの信念や心は少しも違わないと思います。
「好きこそ物の上手なれ」とは昔からの格言ですが、米作りの若い研究者が自分の仕事に誇りを もって喜々として仕事をしているさまをみせつけられ、私は大いに反省させられました。

 かって私は先輩から「企業より喜業たれ」と云われましたが、いつも相手にお客様に喜んで もらえるような仕事をせねばと、再確認をした次第です。