No.83 景気は今がピーク!? 1996(平成8)年5月号掲載


 景気は好調を持続、という論調や、景気先行指標の工作機械の受注は旺盛で絶好調、 という活字が躍っている昨今ですが、本当に実態なのでしょうか。
少し角度を変えて観てみないと、再び大きな落とし穴がと考えています。

 '95年には14.2兆円もの景気テコ入れをして国内の景気を動かしている日本ですが、 これも今年の上半期で神通力はなくなります。
国内政治は住専を含めて、未解決の問題が山積していますし、国内の財政状態からみても 昨年のような巨大な補正予算は続かないでしょう。
いま、景気が良いという現象、すなわち増益現象は企業の徹底したリストラと、 4〜5年抑え込んできた設備投資の反動以外の何モノでもなく、力強さに欠けています。

 一方の海外でも、難しい局面が出ています。
4年以上の景気上昇も息切れしつつある米国は、大統領選後の失速状態もみえみえで、 これを当てにしている欧州や日本は当然に失速は間違いないと思います。
そんな欧州は失業率11%以上のドイツを核として、輸出で景気をかろうじて支えているだけで、 全体としてはその他の国を巻き込んでいる不況感は、大きなダメージになっています。
そして中国や東南アジアも成長率アップは鈍化し、実態は決して良くはないと思います。

 こうみてきますと、当然のことながら今や日本だけの要因で、景気が動くということはありえません。
この傾向はグローバル化してきた政治や経済、産業すべての面で明らかでしょう。
と考えていきますと、景気は持続とか絶好調の工作機械業界という情報にまどわされすに、 「今がピーク!」と考えて対応せねばならぬのが、正に今と思います。
世界中の異常気象も大いに気になります。
といいつつも、こんな見方や考え方は、是非とも外れてほしいとの強い思いで一杯です。