No.85 21世紀の仕組みとは 1996(平成8)年9月号掲載


 いま毎日のように、グローバル化とか情報化という言葉が使われています。
これは「地球はひとつ」を意味し、特に「一物一価の原理」が最も力を持ち、それを誰も止めることも逃れることもできません。
それ故、情報化やグローバル化によって国や企業、個人の生活など全ての在り方が私達を全く知らない、 未知なる世界へ急速に進ませ今や、世界中が模索中ではないかと思います。

 いいかえれば「国境のない世界」と考えれば、比較的わかりやすいでしょう。
特に欧州の国々は征服したり、されたり、即ち国家が無くなったり国境が変わったりなど、 歴史的に国を否定されている経験と習慣が生き続けているからです。
これがグローバル化を容易に受け入れる素地となっているのでしょう。
なかでも逸早く行き詰まったといわれて久しい英国が、全く新しい条件下で既にこれらを把握しているように思えてなりません。

 この変化に対応したフレキシビリティーなシステムを導入している具体的な例として、英国の鉄道があります。
利用する週や曜日、時間によって運賃が割高になったりするシステムなどは好例です。
サービス面では多少の差がありますが、鉄道というハードのインフラはそのままで、ソフトの面で、 それらを見事に解決しています。
私達は米国の物質文化による豊かな社会をめざしてきましたが、芝居でいえば舞台装置もストーリー も変わっているのに、昔のままのコスチュームで演技している時代おくれの役者、それが我が日本では---。

 そんな意味で英国は、21世紀にむかって社会の仕組みを上手に変化させ、全く新しいシステムが、 すでに進行しているように思います。
新しい時代には新しい物でなければという既成概念を超越し、国も企業も個人も過去に とらわれず楽しみながら実践している様は、私達に何かを教えているように思えてなりません。