No.89 グローバル・スタンダード 1997(平成9)年5月号掲載


 グローバル化とか、グローバリズムやグローバル・スタンダードなどの言葉が いま駆け巡っています。
そんな時に、この言葉が身近に現実となって起き、見過ごせない事例にでくわしました。

 我国の某農作業用機械メーカーが、日本の水田耕作業に生産し国内で販売し使い古された 耕運機で起きた事件です。
スクラップとしてバラバラに分解され海外へ送られ、現地で再び組み立て後、 販売使用されてクレームが発生したという事例。
今一つは、日本で生産し国内向けに販売された某工作機械メーカーの中古NC旋盤が、 メーカーの全く関知ないまま海外へ売却処分され、海外でクレームが起きた事例。
いずれも海外ユーザーから日本メーカーが提訴をうけ、大きな時間と費用をかけて 応訴せざるをえなくなったという事実です。
その結果は別として、日本市場に限定販売を目的とした国内向けの仕様だからといって、 必ずしも国内だけで使われるとは限らないということです。

 その昔、私達日本人もアメリカ製やドイツ製などの外国製品に憧れ、 ほしいなとか使ってみたいなと思いましたが、今は全くその逆になってしまいました。
日本製品が品質的にも使い勝手などでも良くて優秀であり、世界から信頼される仕様になり、 新品ばかりでなく、中古品までも求められるほどの状況なのです。
例え日本で生産し日本で使われるという条件のもとでの、日本相手のビジネスであったとしても、 今や使うユーザーは日本だけではないし、またそれを止めることは出来ない状況になってきました。
当然のことながら、取扱説明書も、パーツやアフターサービスも、製品そのもの、 日本国内向けだけでなく、どこの国で使われようと通用するものにして生産し 販売しなければならないということでしょう。
勿論、製造物賠償責任(P/L)は充分考慮しておくべきです。

 こうみてきますと、日本製品への憧れと、世界から高い評価を受けているということから、 私達はあらゆる面で世界を相手に仕事をしなければならないと思います。
世界に通用する完璧な製品、そうグローバル・スタンダードの製品づくりこそ、 私達が生きる唯一の道であると実感しきりです。