No.90 夢叶うアメリカの奥深さ! 1997(平成9)年7月号掲載


 マツウラと友好関係にある米国の鍛圧機械メーカー、ナショナル・マシナリー社は オハイオ州ティフィンに拠点があります。
このティフィンは大いなる田舎町ですが、ドイツ系のハイデルベルク大学などもある 教育文化都市でもあります。
たまたま昨年、同社訪問の際、この大学の卒業式に遭遇しました。
大勢の人が卒業証書を胸に抱いて喜び合っている光景は、いつどこで見ても良いものですが、 その中で、60代後半の女性を真ん中に喜び合っているグループに出くわしました。
そのグループの一人が、「いま私の母親がこの大学をめでたく卒業したのです。
私はこの母親を誇りに思います」と見ず知らずの私にまで声をかけてきました。 40才後半の男性で、卒業された女性の長男の方でした。

 その女性は夫を亡くし、その悲しさを忘れる為に大学入試に挑戦、無事に卒業されたのです。
その感激は、「この町でお世話になったことへ感謝して、地域に役立つ奉仕活動をしたくて 大学で勉強しました」と嬉しそうに話してくれたことでもわかります。

 そんな思いが覚めやらぬ中、この6月には89才の女性がハーバード大学を卒業するという話を、 同大学の新聞で知りました。
彼女も14才の時、女性には学問はいらないという、当時の習わし通りに結婚。
しかしその夢断ち切れず1997年、69才で高校へ、そして71才でハーバード大へ。
18年かけて今6月に卒業。数多くの学科を学び、めでたく学位をとられたようです。

 一人の女性が75年前に夢見た、大学卒業と学士取得の夢を叶えさせてくれるような仕組みこそ、 はかり知れないアメリカのパワーの原点であるように思います。
日本のウスッペラな生涯教育やその仕組みとは比較するまでもなく、 米国の計りしれない奥深さや豊かさ、抱擁力には驚くばかりです。
すべての米国の仕組みが、全く異次元のような気がしてなりませんでした。