No.92 ドイツいよいよ復活! 1997(平成9)年11月号掲載


 この9月に開催の12th.EMO展は、'89年10月ハノーバーで開催された8th.EMO展以来の活況ぶりでした。
8th.EMO展は丁度、東西ドイツが統一する兆しの出た2ヶ月前。
それからドイツや東欧、共産圏を含む欧州全体が変革の渦に巻き込まれました。
この間リストラが吹き荒れ、合い従連衡を繰り返した結果、特に工作機械業界は1/3に縮小するなど、 大変厳しい期間でした。
しかし、ここにきて力強く生き残った企業群がいよいよ活動を始めようとしています。

 その底力を見せつけた12th.EMO展の欧州勢の演出は、勿論ドイツメーカー。
まさにドイツの逞しい復活そのものでした。
この復活は何を意味しているのでしょうか。
その第1は、彼らの「陸続き」という有利な条件があげられます。
ドイツのコストは高くても周辺諸国、特に前の東欧諸国は良質な労働力と安いコストがあります。
ドイツのニュルンベルクから陸路でも1時間強でチェコのプラハです。
そこには人件費が1/10というコストの安さと優秀な工場群があることでもうなずけましょう。

 その第2はドイツマルクを基本とした、マルク経済圏が形成されてきたことです。
ドイツを中心にポーランド、チェコ、スロバキア、ハンガリー、ルーマニア、オーストリアなど 周辺諸国で、約1.6億人の大市場です。
加えてこの市場はドイツ語が通用します。
宗教も文化も共有し、情報化時代には容易にコミュニケーションできる大きな武器になりましょう。

 これら有利な条件を駆使して、強いものが生き残りをかけ企業の整理統合をほぼ終えたドイツ。
このドイツが中心となって欧州市場の統一と統一通貨制を目論んでいる欧州勢――。
この戦いに勝ち残るには、よほど差別化された特徴のある商品や技術、 サービスを提供できなければなりません。
これらを模索する商品開発や市場創造などを含む総合力こそ、彼らと伍して勝ち残る唯一の条件と 方策と思うのですが――。