No.96 大西洋通貨同盟も! 1998(平成10)年7月号掲載


 この6月、ドイツ工作機械展のMETAV'98は僅か5日間の開催期間でした。 しかし昨秋に開催された、12th.EMO(ドイツ・ハノーバー)より、入場者が多く引合件数、 成約件数とも中身がよかったようです。

 この活況を見たドイツのMETAV'98。
これこそ'99年1月から動き出す、欧州の新しい通貨ユーロが、確実になりつつある証拠であり、 大きな自信の現われではないでしょうか。
この自信が彼ら欧州各国にとって、市場全体で大きなビジネスチャンスとなってきたからです。
すでに新通貨1ユーロは、1米ドルより強いことも、今年5月にユーロ加盟11ヶ国の各レートが 決められた時、すでに明らかになっています。

 昨秋、私が渡米した時、「ユーロなんて成功するはずないよ」との意見が大勢だったアメリカ。
しかし今年3月には、「大きな力になりそうなユーロが心配なんだ」との声に変わっていました。
まさに、この変化こそ8年も続いた北米市場の変化が見え始めたのとは反対に、 通貨統合という大改革で活況を見せ始めた欧州市場を占っているようです。

 第二次大戦後、米ドルが世界の基軸通貨として、世界市場を席巻してきました。
しかしその独善的な市場支配と繁栄を取り戻したい欧州諸国は、米国市場より大きな市場を作り、 ようやくユーロー経済圏を実現させたのです。
この二大通貨が激突されるであろう構図は、人口やGDP、そして外貨準備などの実力を比較してみれば、 世界市場は米ドルとユーロで80%近くを占めると予想され、残り20%は日本円を含む、 その他でせめぎあうことになりましょう。
そしてこの強力な米ドルとユーロの二大通貨が犬猿の仲になると思いきや、 「かなり高い確率で手を結ぶこともありうる」との駐英友人からの耳打ちに慄然となりました。
それこそ間違いなく、日本は世界市場の片隅に追いやられると思ったからです。

 今や、世界は地球レベルで知らぬ間に思わぬ枠組が決められかねない時です。
「200X年に大西洋通貨同盟」というショッキングな事態に、こんなこととは程遠い、 自分の利益だけでそれぞれに動いている日本を見るにつけ、これでいいのかと思う毎日です。