金属光造形複合加工医療機器フォーラム

医療フォーラムについて

会長挨拶

国立研究開発法人産業技術総合研究所
生命工学領域 健康工学研究部門 生体材料研究グループ
上級主任研究員 岡崎義光

近年、歯科用CAD/CAM システムは補綴物や修復物の製作方法として広く普及してきました。 しかし、切削加工を伴うことから生じる形状の制約、切削屑の排出などの問題も抱えております。 金属光造形複合加工法はその問題を克服する可能性を持っており、この加工法に大きな関心を寄せていた次第です。

金属のレーザー積層造形装置は幾つも海外で開発されておりますが、レーザー焼結法と切削加工法を組み合わせた光造形複合加工法は、工業製品の加工方法としては世界で唯一の光造形加工技術として注目されている国産の技術です。 医科・歯科を問わず医療機器の製造加工方法としても大きな可能性を秘めております。

このフォーラムの活動により、製造者、研究者、ユーザーを問わず産・官・学の多くの方々の知恵を集め、金属光造形複合加工法による医療機器製作の課題と可能性を議論することで、 ニーズの掘り起こしと技術的シーズの更なる改良に寄与したいと考えております。また同時に、国産の技術の発展に貢献できることを期待しております。

設立趣旨・目的

1.フォーラム設立趣旨

金属粉末のレーザ焼結積層と小径エンドミルによる仕上げ加工を同一装置内で行う金属光造形複合加工方法は、積層造形と切削加工とを合わせた1マシン1プロセスを実現するハイブリッド加工方法である。この金属光造形複合加工はパナソニック電工が開発した基本技術を基に、松浦機械製作所が開発した装置で、世界初の国産の加工技術である。この加工方法では、従来の除去加工や成形加工で不可能であった複雑な形状を高精度で実現することが可能である。

積層造形法を用いた金属製医療機器の作製方法として既に、Direct Metal Laser Sintering(DMLS)、 Selective Laser Melting(SLM)法が研究開発から製品製造に導入されつつあり、金属積層造形法は発展段階にあると言える。この様な中で金属光造形複合加工方法の特徴を活かすことにより、従来の積層造形法の課題を克服出来るだけでなく、未開発・未発見の新たな医療機器としてのニーズに応えられるものと考えられる。 例えば、歯科医療の分野では既にCo-Cr合金による応用が可能とされているものの、生体適合性に優れたチタン合金では更なる検討が求められている。また、個々の患者に適合した形状のインプラント作製、個々の要求に合わせた複雑な形状の歯科補綴物作製など、新たな歯科医療技術の展開にも繋がるものである。

この様に、多くの課題と可能性の残された金属光造形複合加工方法について、開発者、ユーザを問わず産・官・学の多くの方々の知恵を集め議論することで、ニーズの掘り起こしと技術的シーズの更なる改良と発展に寄与できるものと考える。

2.フォーラム設立目的

製造者、研究者、ユーザーを問わず産官学のメンバーが集まり、医療機器に対する臨床的ニーズと要求事項を明示するとともに、金属光造形複合加工法における技術的問題点を抽出することによって、両者の課題と対策を意見交換し、金属光造形複合加工技術の医療機器への普及を目的とする。

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