No.77 橘 曙覧(たちばなあけみ) 1995(平成7)年7月号掲載


 福井は日本のドマン中!「日本のヘソ福井」第77回目は、福井が生んだ清貧の歌人 「橘曙覧(たちばなあけみ)」のおはなし。

 平成6(1994)年6月13日、天皇・皇后ご訪米の歓迎レセプションで、クリントン大統領が、 曙覧「独楽吟」の一首「たのしみは朝おきいでて昨日まで無かりし花の咲ける見る時」 をスピーチで引用されたことが導火線となり、橘曙覧は今、地元福井で注目されています。

 1812(文化9)年5月、福井市石場町(現在のつくも町)に、紙・筆・墨商を営む 正玄五郎右衛の長男として生まれた曙覧は、歌や書の風雅な世界に自在に生きたものの、 実生活はめぐまれず、妻子5人が食べて行くのが精一杯というような暮らし向きで、 慶応4(1868)年8月、57才で病死、その生涯を終えています。

 名刺を求めず、清貧の中で心ゆたかに風雅の世界に生きた橘曙覧。
このような生活が改めて見直され、人々の心を引きつけるのは、現在の社会があまりにも 利益追求に走りすぎている、その反動からでしょうか。

 NHK福井放送局よ福井新聞社が、今年、曙覧にスポットをあてているのも、 現代人が忘れかけている潤いのある豊かな心を伝達する好機であるととらえらからだと思います。
私達も一度、心を清らかにして曙覧の歌を読んでみたいものですね。