No.164 「衰退の管理」 2012(平成24)年1月号掲載


 未曾有の大災害、強烈な円高、等々、色々あった2011 年も幕を閉じ、2012 年が始まりました。ここ数年で日本を取り巻く環境もまたガラっと変わり、環境変化適応能力が益々問われる時代となっております。

 さて、昨年秋ごろ目にした言葉で「衰退の管理」というものがあります。英国の新聞フィナンシャルタイムス(FT)のコラムなんですが、日本でも紹介されていましたので目にされた方もおられるのではないでしょうか。

 ざっとポイントを要約すると、英国はアメリカに覇権を奪われた後、国力自体は衰退し低下していったものの、国民の生活水準の維持向上と国家安全の確保とを完全に両立することが出来たという事実があり、これは英国が管理された衰退を上手くやり遂げた結果だという内容です。

 別に日本が世界の覇権を握った事実はないので、この話を日本に当てはめてお話するのは非常に乱暴なことですし、記事の中での主体も、台頭してきた中国と現在問題抱えるアメリカとを対比しながら、アメリカは英国に学ぶべきものが大いにあるというものでしたので、日本はどうこうすべきだといった話ではありません。しかし、色々な面で示唆に富んだ内容で感じ入る部分が多くありました。

 海を挟んだ隣国が経済規模で世界屈指の大国となることが確実視されている現在、日本は今後どういう舵取りをしていくのでしょうか。

 マツウラは英国に子会社を持っており、英国の文化を直接感じることが多々あります。実は英国は、マツウラの国別マシニングセンタ販売シェアが一番高い国でもあります。英国のお客様は小粒ですが、技術的に非常に特色のある会社が多く存在しております。決して大規模にビジネスを展開している訳でもなく、技術に裏打ちされた収益性の高い商売をしっかり行っておられるお客様がたくさんいらっしゃいます。

 一方で強烈な円高の環境に晒されている日本の中小企業は、将来に対する危機感を強く持っております。たとえ国力が比較の上で衰退したとしても、企業はどっこいしっかり生き抜いていかねばなりません。

 「衰退の管理」と聞いて、技術がある会社の大人のしなやかさみたいなものをしっかり備えなければいけないと強く思う2012 年の新春です。