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ユーザーを訪ねて

2022年新春号のユーザーを訪ねて

No.188

製品カテゴリ:MAM72-35V

若手の自由な挑戦を自動化

タイコーテクニクス株式会社 様

 

今回のユーザーを訪ねては、九州自動車道の北熊本スマートICから車で20分の距離にあるタイコーテクニクス株式会社です。同社は半導体製造装置向けを中心に、様々な金属部品を受託加工しています。取材には田上貴仁代表取締役社長にご対応頂きました。田上社長は高専で電気制御を学びながら、会社を手伝いつつ幼少からの夢であるグラフィックデザイナーを目指しました。高専卒業後は会社を離れ本格的にデザインの道を進みますが、会社の将来を案じてデザイナーを諦め、以降は同社の経営に携わります。「幼少期から絵画や音楽、映画など『 表現する仕事』に憧れがあり、高専に進学した理由も『学校で使う当時高価だったPCがあれば独学でデザインを学 べるのでは』と思ったからです」と冗談交じりに振り返る田上社長。同社の企業ロゴや名刺のデザインもご自身で手掛けたものです。

バブル崩壊後の創業

 

同社は田上社長の父である現会長が平成3年1月に創業。以来、同社は金属加工一筋で事業を継続してきました。「創業当時は生産ライン向けなどの機械部品を加工していました。しかし当時はバブル崩壊に伴う景気低迷の真っ只中。創業からしばらくは新規顧客の獲得に苦戦したと聞いています。そんな中、縁あって現在もお付き合いのある大手半導体製造装置メーカーから引き合いがありました。とはいえ当社の技術レベルは決して高いとは言えず、容易に受注が獲得できる状況ではなかったようです」と創業当時を語る田上社長。

趣味のモノづくりに見出した活路

田上社長は平成20年頃から経営に携わるようになりますが、時を同じくして日本はリーマンショックに見舞われます。同社の受注も激減しましたが、このタイミングが同社の転換期となります。「会社経営に追われる中『不況もチャンスだ、時間が余るなら趣味の映画や音楽に没頭する時間がとれる』と考える様になりました。鑑賞用に安価なプロジェクタを購入し、それを天井に固定したいと思いましたが、それには専用の金具が必要です。メーカー製の既製品もありましたが高価で手が出なかった。ならばいっそ自社で加工してみようと思い立ち、出来上がったものは予想以上の仕上がりとなりました。ふとした思いからそれらをネットオークションに出品したところ徐々に売れ始め、いつしかお客様からの依頼を受けて、ニッチなオーディオアクセサリーを製造するようになりました。複雑なオーダーに応えるうちに、次第に金属加工のノウハウが蓄積され、当社の技術レベルも高まりました。メイン事業でも難易度の高い引き合いに対応できるようになり、業績も好転しました。楽しむことの中に成長の鍵があったのだと思います」と田上社長。

5軸加工機を設備

田上社長が現職に就任した平成24年以降、同社はより付加価値の高いモノづくりを目指し5軸加工機を設備します。「以前は旋盤や立形マシニングセンタを使用していましたが、同様の設備を使用して、より低予算で加工できるライバルが多数存在しました。競争に勝つためには他社にできない5軸加工に着手する必要がある。もちろん社内からは高額な設備投資に難色を示す声も上がりました。しかしリスクを取らなければ当社のような中小企業に未来はない。そう決心して国内大手メーカーの5軸機の設備に踏み切りました。5軸機の恩恵は絶大でした。対応できる加工の幅が飛躍的に広がり、従来ならお断りしていた仕事も受けられるようになりました」と田上社長。以降、同社では大手メーカー製品を増設し、5軸機での受託加工を主力事業としていきます。

中小企業にこそふさわしいアプローチ

「いたずらに利益を追求するのではなく、若者にモノづくりのおもしろさを伝えられる会社にしたいと考えています。自由な発想でモノづくりに挑戦できる土壌をつくりたい。そう考えたとき、中小企業には致命的な弱みがあります。それは新人育成に費す時間とコストに制約がある点です。従来通りのビジネスモデルからの転換を図るため『自動化・無人化』は無視できないテーマです」そのような思いから田上社長は令和3年5月、同社にとって初のマツウラ製品となる、多面パレット搭載の5軸制御立形マシニングセンタMAM72-35V を設備します。「設備したその月からMAM72-35V の恩恵を実感しました。例えばロボットアームを用いた大掛かりな自動化は、中小企業にとってコストとリスクの両面から現実的ではありません。MAM72-35V のような多面パレット機は確実に生産性を上げるという実績もあり、検討段階から生産効率がどの程度上がるかというビジョンが見通せる。MAM72-35V は中小企業にこそふさわしい自動化・無人化へのアプローチです」と田上社長はMAM72-35V を評価します。

『壊れない』という安心感

若手の活躍を願い自動化・無人化に取り組む田上社長。それだけに機械の扱い易さについては並々ならぬ思いがあります。「当社の目指す自動化・無人化にMAM72-35V は最も相性の良い機械です。ただし操作性には改善の余地がある。例えば欧州製NCを搭載した他社の5軸 機はオペレーターの使用感を最優先に設計されています。ツール管理やリスタート時の利便性など、様々な面で直感的に扱える点は、若手オペレーターにとって最も喜ばれることです」と田上社長。そんな中でマツウラを選んだ大きな理由は『壊れない』ことだったそうです。「正直、既にお付き合いのある他メーカーと比較するとマツウラの機械は高額です。しかし自動化・無人化に向け購入する最初の機械だからこそ『壊れない』という安心感を重視して選びました。ハードウェア面は他社と比べて素直に良いと思います。工場に伺った際にも丁寧に作り込まれていることが理解でき、非常に印象が良かった。他社と比べてトラブルも少なく、サポート体制に関しても優位性 があると感じます」

挑戦のための自動化・無人化

「若手が自由に挑戦でき、モノづくりのおもしろさを実感できる会社を作りたい。主力事業では徹底的に効率化を進め、安定した経営基盤を確保する。そこで生まれたリソースを活用して、若手が各々の趣味の分野、例えば自動車や釣りなどで使えるモノづくりに挑戦できる環境を整えたい。そこで重要なのは『挑戦に割く時間を如何に捻出するか』です。MAM72-35V の導入を皮切りに、今後も若手が挑戦できる環境づくりを目指した自動化・無人化に取り組んでいきます」と田上社長は同社の将来像を語ります。


情熱をもって自動化・無人化を進める田上社長。システム面でも自身が陣頭に立ち効率化に取り組んでいます。本稿の取材の際、同社で活用している注文書の自動入力ソフトや、マシニングセンタのタッチセンサープログラムを自動生成するソフトを拝見しました。これらは田上社長がご自身でプログラムしたものです。「ルーティーン化した作業の工数削減のために作りましたが、いずれも標準的な関数を用いた単純なプログラムです。既存技術の使い方を如何に工夫するかが効率化を図るうえで重要です」と田上社長。インタビューと工場風景の動画は、記載のQRコードを読み取り、ご視聴頂くことができます。また、当社ホームページでも公開中です。ぜひご覧ください。

会社情報

会社名
タイコーテクニクス株式会社 様
本社
〒861-1114 熊本県合志市竹迫355-3
TEL
096-248-2081
FAX
096-248-2082
役員
代表取締役社長 田上 貴仁
設立
平成3年3月
従業員
34名
事業内容
マシニングセンタ・5軸加工機による金属 機械加工

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