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ユーザーを訪ねて

2025年夏号のユーザーを訪ねて

5面加工と多面パレットでバランスの良いQCDを実現

株式会社鬼頭 様

 

今回のユーザーを訪ねては、名古屋高速4 号東海線港明ICから車で10 分の距離にある株式会社鬼頭です。取材には、代表取締役を務める鬼頭和裕様に対応頂きました。

同社は1975 年に鬼頭社長の父が名古屋市で創業し、汎用旋盤を用いた金属部品加工を行っていました。鬼頭社長は2009 年に同社へ入社し、2017 年に代表取締役を就任。2014 年に法人化したのち、事業を拡大させていき、2022年に工場拡張を目的とした移転を実施。現在では、月産数十個から数千個まで幅広いお客様のニーズに対応できる体制を整えています。

モノづくりについて

同社では、主に産業用機械部品やシリンダー関連部品を製造しています。加工する部品の多くは5 面加工を活用した製品づくりを行っており、緻密かつ正確に整列した複数の穴加工や交差穴の加工が施された部品製造を得意とされています。

また、鬼頭社長の趣味であるバイクに関連して、バイク部品の加工も行っており、バイク販売店からの依頼や稀に個人の方からも部品製造の依頼があるようです。こだわりの逸品をお求めの方は一度、同社へ問い合わせてみてはいかがでしょうか。

工場拡張の経緯とマツウラ製品導入のきっかけ

同社が移転する前の工場は、工場内の天井高の影響によりBT30規格の小型マシニングセンタを設備していました。しかし、取引先から鉄やステンレスなどの加工依頼が集中し、それらを全て対応するには加工能力が不足していたため、設備増強とさらに拡張された工場への移転を行いました。

工場移転に併せて同社では3 台のマツウラ製品を同時期に導入しています。マツウラ製品導入について鬼頭社長は次のように話します。

「マツウラ製品のことは取引先である株式会社よしいけ工業所さん(マツウラニュース2022年秋号「ユーザーを訪ねて」掲載)が設備していたため、特に5 軸機選定の際は有力候補として意識していました。5 軸機導入の前に、工場移転が決まり設備増強を急いでいたため即納かつBT40 の工具を扱えるVX-1000を2021 年6 月に設備したことがマツウラ製品の1 台目となります。その後、5軸機への憧れが創業当初よりあったこともあり、MX-420 PC10 を2022年3月に設備しました。設備増強により順調に業績を伸ばしつつ、さらに自動車関連の増産に伴う部品加工依頼が多数入ってきました。当時の生産能力で対応しようとすると24 時間かつ土日も連続稼働させる必要があったため、多面パレットを備えるMAM72-35V PC32 を2022年9月に設備し、量産軌道に乗せることができました。」

MX-420 PC10 設備

同社が設備したMX-420 PC10 は同時5 軸加工オプションが装備されており、1チャッキングの5 面加工によって、これまでにはできなかった複雑な加工が可能となりました。本機種の設備を契機に受注に繋がった案件も複数あります。また、小物のワークに対しては4 面のイケールを活用することで、低価格帯のワークであってもコストパフォーマンスを発揮できています。

MAM72-35V PC32設備

MAM72-35V PC32 を設備する経緯は、自動車関連の大量受注による対応のため、設備されました。当機種について同氏は次のように話します。

「土曜・日曜など休日も本機種の設備によって無人稼動を100%実現させ、1か月あたり700 時間のフル稼働を行い、従来では対応できなかった多くの加工依頼も対応可能となりました。MAM72-35V PC32 は段取りステーションの作業性が良いことやワークの脱着も行い易いこと、さらに本機で加工中に段取替えが可能なため、稼働率の向上に繋がりました。今後、MAM72-35V PC32 の多面パレットを最大限活用して週休3日を実現することが目標の1つです。

同社の強み

同社の強みは次の2 点が挙げられます。

1 つ目は、部品加工において丁寧につくりこむことを得意とし、打痕やキズなどの外観不良によるクレームはほとんどないと、同社の取引先から12 年間評価され続けています。同社は「アルミ材などのマシニング・旋盤加工なら鬼頭にお任せを」をモットーに、お客様への納品まで全力で取り組む姿勢があります。

2つ目は、価格競争力があることです。同社ではコスト低減の提案も行っており、QCD のバランスの良さには定評があります。多面パレットシステムを備えるMX-420 PC10やMAM72-35V PC32 を設備したことと、同社独自の多数個取り可能なオリジナル治具を活用することで従来よりも価格競争力は格段に向上しています。

今後の展望

鬼頭社長は今後の展望に関して、「今後は量産品の加工も行いつつ、単品に関しても積極的に受注していきます。特にMAM72-35V PC32において夜間無人運転が可能なことを活用し、周辺地域のお客様を中心に低コストで高品質な製品を提供していきたいと考えています。設備に関しては、旋削加工対応のためCUBLEX シリーズやMX-520Tといった複合加工機の導入も検討し、さらに幅広いお客様のニーズに応えられる環境へ整備していきます。

今後も5 面加工による工程集約の利点を活かしてバランスのよい「品質」「コスト」「納期」を心掛けて部品加工を行ってまいりますので、ご用命の際は材質を問わずお気軽にお問い合わせください。」

設立から12 年間積極的な設備投資を行い、「今後の展望」に記載の通り次なる投資も既に計画しており、さらに拡張された工場の移転も検討中とのことで同社の勢いを感じます。本原稿制作を行う為のインタビュー中も加工依頼が舞い込むなど、顧客から同社への信頼感の大きさも垣間見えました。同社のますますの活躍が今後期待されます。

今回のインタビューと工場風景の動画は、記載のQRコードを読み取り、ご視聴頂くことができます。また、当社ホームページでも公開中です。ぜひご覧ください。

会社情報

会社名
株式会社鬼頭 様
本社
〒455-0812 愛知県名古屋市港区善北町38
TEL: 052-382-3496
代表者
代表取締役 鬼頭 和裕
創業
2014年10月
従業員数
4名
事業内容
各種金属切削加工

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