No.101 日本が学ぶビジネス 1999(平成11)年5月号掲載

 ’99EMOパリ展(欧州工作機械見本市)はこの5月初め、 シャルルドゴール空港近くに新設された会場で、華々しく開催されました。
この機会に、スペインとポルトガル2ヵ国のユーザーを訪問、 今なぜ欧州市場が低迷している中で、これらの国が好調を持続しているのか、 この眼で確かめてきました。

 この国々を訪れた結果、分かったことは比較的コストが安いこと、 そしてユーロに参加して充分な仕事の配分があること、 それらを政府が支援育成していることなどです。
中でも特に、ポルトガルのマリアグランデ地区にある金型業界の繁栄は、 勤勉な労働力に大きな要因がありそうです。
これらのバックグラウンドは、 今から200年前に英国人がワイングラスの金型技術を移設したのが始まり。
それが今や大小合わせて300社近く、ガラス型は勿論、 プラスチックプレスやダイキャストの各型を成型までしています。

 その品質は高く、それを裏付けるようにツァイス社、 アジエ社やハウザー社製など著名な最新鋭設備を積極的にすすめて、 24時間3交替でフル生産していました。
熟練作業者の給料は月60万円にもなり、経営者、従業員共、毎晩10時過ぎまで働き、 さらに驚いたのは何とセールスを始める時刻が、夜9時からといわれたことです。
かつての猛烈な日本ビジネスを思い起こさずにはいられません。
その上地元は勿論、欧州の有名なスウェーデンのエリクソン社や、 欧州へ進出の日本の工場などの大手ユーザーから大量の受注をし、 さらに米国やアジアまでも視野に入れて、ビジネスを進めていることでした。

 まさしく過去の私達がやってきた、日本のビジネスを見ているような思いでした。
彼らのこんな真剣なビジネスを驚きの目でみて、好調を持続していることを実感し、 改めて日本の製造業としてのビジネスのあり方を、彼らから教えられた思いでした。