No.16 組み合わせから一体化へ 1985(昭和60)年3月号掲載


 メカトロニクスという言葉が、いつ頃つくられたものか、今ではこの言葉も先進国で立派な ”日本語として”通用するほど、一人歩きはじめ、さらにオプトメカトロニクスという分野に 発展しつつあります。

 日本が高度な技術に裏打ちされた、いろんな先端産業製品からメカトロニクス技術が、 いかされていますが、これはたまたま日本の電子技術をメカニカルな技術に応用し、 相互補完して西欧諸国に追いついたものでしょう。

 しかし、このメカトロニクスも、メカニカルにエレクトロニクスを組み合わせるというものであり、 少々、冷静に考え、時間があれば、このパズルはすぐ組み合わせが出来てしまう。
赤というメカニカルと白というエレクトロニクスの組み合わせは、遠く離れてみれば、 ピンクの色にみえましょうが、近くへよれば赤と白との小さな組み合わせであることは、 すぐわかってしまい、誰でも時間があれば、その手段や方法は簡単です。
日本のメカトロニクスもそんな、浮き草のようなものではないでしょうか。

 まして、わが工作機械も基礎的な機械技術ではどう戦ったところで、 西欧先進諸国には太刀打ちできず、たまたま日本の電子技術を駆使したNC装置を組み合わせたら、 メカトロニクスという先端産業分野の先頭に押し出された、というのが実体だと思うのです。
工作機械はいろんな組み合わせの技術といわれてきましたが、もう少し考えてみては。
例えば、何らかの添加剤を入れて組み合わせの味を変えてみるとか、 そうではなしに組み合わせから、一体化になるように見方や考え方を変えてみるとかです。
いまハイブリッド化という言葉が産業界で使われています。
混成物とか雑種といわれているようですが、これは雑種にするとその親より大きく強くなるという 理論(雑種強勢)からあえて使われているのでしょう。

 組み合わせの技術から雑種強勢理論による、多様性を加えて混じり合わせる効果を期待する 一体化への技術が、今後の私たちにとって無視できないものと思うのですが―。