No.163 「オールドファッション」 2011(平成23)年10月号掲載


 9月まで続いた暑かった夏も終わり、10月に入ってからは漸く秋らしく涼しくなりました。この号がお手元に届く頃は、秋真っ盛りだと思います。

  忘れもしない3月11日の悲劇から半年以上が経過し、復興に向けての様々な取り組みや国としてなすべきことが徐々に具体的になってきています。道のりは簡単ではないですが、国民一人一人がサポートしながら一歩一歩進めていかなければならないと思います。

  さて、その間にも政治の世界では国のリーダーも変わり、欧州では世紀の実験であった新通貨「ユーロ」を取り巻く環境も更に混迷の度合いを増してきました。アメリカでは、バブル経済後の日本が陥ったようなデフレ状態に入っており、日本で未曾有の大災害が発生したにも関わらず外国為替は、日本人の我々の理解しにくい円高水準が定着しています。

  また、ここ数年世界を牽引してきた中国景気も流石に今後の調整期間が長引きそうで、その動向に世界中が注目しています。

  この半年超で世界中で色々なことが起きていますが、それら情報の伝達速度はとても速く、どの経済ニュースも密接に我々の生活に影響を与えるものばかり。世界中のお客様とお取り引きする関係から色んな国で仕事をする機会を多く頂
き、割と世界を身近に感じたりもするのですが、それでも最近は「本当に世界は小さくなったんだ」と痛感させられます。

  時差も国境もなく繋がってしまったグローバル経済。何処からでもアクセスできる情報化社会。あまりの変化の速度に戸惑う一方で、我が社の生業である工作機械製造の世界は、いい意味で職人的なオールドファッションな感性を持っているような気がします。工場で従業員が精魂込めて緻密に組み上げていく機械を眺めていると、気忙しい外界を離れた、少し落ち着いた気分にもなります。実際は、気忙しく時間を気にしながら迅速に機械を組み上げている従業員には、怒られるかもしれませんが…。

  マツウラの商品は、変化の早い社会で戦うお客様の「道具」であり「相棒」(言い過ぎとは言いたくないですが)である筈ですから、ハイテクマシン然とした雰囲気は持っているでしょうけど、我が子のような血の通ったところがあって欲しいと思う部分もあります。何かオールドファッションは、流行らない感じでしょうか?