No.26 アメリカはよみがえる 1986(昭和61)年11月号掲載


 私はこの9月、シカゴショウをはさんで約3週間にわたり渡米しました。
今回の出張は、いろんな意味あいから大きなプレッシャーが感じられた渡米でもありましたが、 シカゴショウが大きな仕事でしたから、展示会の他社出展の傾向や、 ユーザーの動向などを精力的に観察し調査もしてきました。

 しかし、本当はアメリカの実態(とはいいましてもあの大きいアメリカのこと、 群盲巨象を撫ずのたとえあり、いやそれ以上に始末の悪いものだと思いましたが) が知りたくて、渡米したのが本音だったのかもしれません。
会期終了と同時に全米で3000台以上設置稼動しています、わが松浦機械のマシニングセンタの 状況が知りたくて、ユーザーのうち約20数社を選びだし、精力的にユーザーを訪ね、調査してきました。
その一社が、今号の海外ユーザー訪問でご紹介しました「ジャービス社」です。
同社の詳細は訪問記をご覧いただくとして、ジャービス社長は「技術本位に徹するのは当然」 としながらも、私にむかって「我々の企業が生き残るには、長時間稼動しか道はない」 という強烈な発言と態度でした。
同社長は毎日、朝5時前に出勤し、夜は10時前に退社したことがないという猛烈な働きぶりでしたが、 81年もの歴史ある同社でさえ、社長が先頭に立ってグイグイリードしていくさまは私にとって、 何と力強く感じたことでしょう。
アメリカは必ずよみがえる――という思いがしましたし、同社以外に訪れたユーザーも、 殆どのユーザーが異口同音に話されたことでも「アメリカはよみがえる」ということが 思いよりも確信となってきました。

 彼らのビジネスぶりをつぶさに肌で感じて、彼らのいう「アメリカはよみがえる」という 身体全体の表現は、私をどんなに勇気づけたことでしょう。
一方では「アメリカの底力を、まざまざとみせつけられた」そんな複雑な思いの渡米となりました。
日本がなぜ、いま苦しまねばならないのか――ハッと感じた思いがしている、このごろでもあります。