No.32 欧州の大変革 1987(昭和62)年11月号掲載


 この10月にイタリアのミラノで開催された、第7回欧州工作機械見本市(エモ展)をかね、 欧州の各地へ約10日間出かけてきました。
私共の松浦機械もこの展示会には、単独ブースで出展しましたし日本の同業他社も 数多く出展されていました。
でも、いままでの欧州各地で開催された見本市とは、大きな違いが出ていることに気づきました。
それは、西ドイツやイタリア、スイス、スペインなどの欧州勢が同展前面に大きくでてきたことです。
ミラノで開催された工作機械展だけでなく、フランスのパリで開催されたITMAという繊維機械展でも、 同じような印象をうけました。
というより間違いなく欧州勢が力をつけてきており、その反動で日本勢は展示ブースまでもが、 脇のホールに追いやられていたという事実があるからです。

 特にイタリアにおける最近の発展ぶりは、めざましいものがありますし、 産業や経済的にも落ちつきを取り戻していますし、従って今までやっていた労働者のストライキも、 お互いに損であることに気づき、政治的な安定と調和してストも、やらなくなりました。
こうしてイタリアの活性化は、ラテン系特有の好感性と明るさによって、いい面がすばやく、 そして大きく伸びてきたのでしょう。
イタリアの奇跡の復活は、神話でもなく現実そのものでした。
彼らが自信を持つとこんなに変化するものかと、ただただ驚嘆するばかりでもありました。

 そのイタリアなどに引きかえ、わが日本はどうなのでしょうか。
自分達の立場をわきまえた、自分達の得意ワザをいかす以外にこの地球上で、 もう生きてはゆけなくなるのではないか――私は一瞬、背筋が寒くなる、そんな思いがしました。
奇跡の復活は、なにもイタリアのみならず、欧州すべてがその大変革をめざしています。
この思いが私の思いすごしならハッピーなのですが。