No.4 精度のチガイ 1983(昭和58)年3月号


 私ども松浦機械が、日本ではじめて電気制御による自動型立フライス盤を開発し、当時、 日本の主力産業だった精密機器分野のなかでも、とくに輸出産業の花形であるカメラ業界に、 加工精度2/100mm以内を保証したのは、今から20年前でした。
当時は2/100mmの加工精度を保証するために、精密立形フライス盤をベテランの職人が、 1個づつ真剣に加工しなければならなかった時代でしたから、松浦機械が開発、 発表した電気制御方式自動立フライス盤(商品名:ミクロマン)は、ミノルタカメラ様をはじめ、 日本光学工業様、キャノンカメラ様、旭光学工業様など日本国内では、 超一流のカメラメーカー各社に、どんどん採用されました。

 しかし、それから20数年経過した現在、カメラの分野では、素材が80%強プラスチックならびに 電子部品にかわり、残りの20%弱もレンズがしめ、金属部品はビスだけということに変化してきています。
そして、すでに20年前、カメラは精密機器分野のトップを走っていましたが、 いまの精密機器分野は2/100mmの加工精度から1/1,000〜2/1,000mmの精度を要求される 完全に別の分野に交代しています。
これは、カメラの主要な素材として例えば、カメラボディがアルミダイキャストから、 2/100mmの加工精度が可能になったプラスチック製品に変わったからでしょう。
硝子製品であったレンズがプラスチック製品に変化しているからでしょう。
当然アルミダイキャストでは、切削加工による作業が極めて重要でありましたが、 プラスチックに変化すれば殆ど切削加工はなくなります。

 そして、いまアルミダイキャストや硝子からプラスチックに変化している”軽薄短小”への 大きな雪崩れとなって動きつつあるのでしょう。
僅か20数年前、精密加工が2/100mmだったものが、1/1,000〜2/1,000mmに1ランク引上げられた今日、 私たちの意識や思考は、この精度のチガイはどう変化しているのか、 大いに反省してみる必要があると思っています。