No.46 外からみた日本の現状 1990(平成2)年3月号掲載


 2月初旬、1週間の日程でワシントン、ニューヨーク、ボストンなどを訪ね親しい友人にあいました。
でも今回ほど対日感情の厳しさを味わったことはありませんでした。
特にワシントンで逢った米国人やいろんな国々の方々からの共通した認識は、大変な危機感を 持っておられ日米関係の先行きについて、これから21世紀までの10年のうち、ここ3年が極めて 難しい時期になるだろうと言われたことです。
そのあらわれのひとつが、異例のブッシュ・海部両首脳会談に発展したのだとつけくわえられたことです。
そして、今や日米二国の相互依存関係は強力であり広範囲になっているものの、 お互いの国民感情はどんどん離れていくのは大変悲しいことで、今年の日本の対応によっては 決定的な時を迎えるかもしれないと、米国の友人から念を押されたことでした。

 さらにこの友人を始め家族ぐるみでつき合ってきた人々が、日本人の友を持っていることが 自慢できなくなったといい、私達、日本人に逢うことを避けるようになってきていることです。
いつも宗教や文化を尊い、お互いに納得しながら信頼関係を築いてきた私にとって、これは 大きなショックでした。
それは、ニューヨークの友人に逢ったとき、今や米国企業の中に誰かに助けてほしいと思っていても、 日本企業や日本人にだけは助けてほしいと思わない。
欧州の国々ならどこの国でもかまわない。
といわれたことで私のショックはさらに大きくなりました。

 こんな話しを聞いてきますと、どうやら日本の持っている金融力とハイテクパワーは、 欧米の彼らにとって漠然とした不安感を持ち始めたように思います。
最近の円安の動きや石油価格の上昇率が、日本や日本企業にとって反面的にあらわれた現象でしょう。
強い通貨がマルクやドルに入れ変わり、一番強いと思っていた円が今では一番弱い通貨となっているのもうなずけます。
GNP第2位とか太平洋の時代といわれた時は、もう終りつつある、そんなターニングポイントのように思います。
場合によっては、1970年代初めの石油ショックと同じような経済現象が起らないという保証は、 どこにも見当たらない、そんな気がします。

 こんな厳しい危機がはらんでいるとき私達は、どうすべきなのでしょうか。
日本の都合の良い理論をおし通してきた、この大きなツケは、やはり私達が自己反省し 自力で解決しなければならないのでしょう。
これからは忍耐と共生・協調の時代だ----といわれた米国人の昨秋の言葉が、これらの全てを 解決してくれるカギのように思った、私です。