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ユーザーを訪ねて

2025年秋号のユーザーを訪ねて

No.202

製品カテゴリ:No.201~No.250MX SeriesMX-330

MX-330 PC10 で働き易い職場を

株式会社平本精機 様

 

今回のユーザーを訪ねては、名阪国道、白樫IC下車、約3分の距離にある株式会社平本精機です。取材には、代表取締役を務める平本充弘様に対応頂きました。

同社は1986年に平本社長の父が三重県伊賀市で創業し、汎用フライス1台から工作機械部品を中心とした金属部品加工を始めました。平本社長は中学生の頃からアルバイトとして家業を手伝い、2009年に同社へ入社。専務取締役を経て、2018年に代表取締役を就任し現在に至ります。2018年に同社を法人化、2025年夏には新社屋を建 設・移転し、積極的に設備投資を進めています。

主な事業としては産業機械や半導体装置関連向けの部品製造を行っています。

ピンク色のMX-330 PC10

同社は初めての5軸機として、MX-330 PC10 を選定。同機種を導入するに至った経緯について、平本社長は次のように説明します。

「MX-330 PC10を知ったきっかけは2021年に愛知県で開催されたメカトロテック2021でした。展示されていた同機種を一目見て、これはすごいなと。機体が意外とコンパクト、それでいてPC10のパレットチェンジャーも装備されていることを魅力に感じました。さらに同機種を用いた加工実演でワーク本体の加工を行った後、ベースとワーク部分の間を極限まで薄肉状態に加工して、手でワークとベースを切り離している様子を目の当たりにし、5軸機を活用するとこんな加工までできるのか、と驚きました。」

同社では特殊色としてピンク色と白色の2トーンカラーを選択しています。

「機械の外観も性能の1つとして捉えていますので、標準色ではなく特殊色をオーダーしました。選択の理由は、当社のイメージカラーがピンク色と白色であることもありますが、最も重要な点として、求人に対して女性からの応募を増やしたいという思いがあります。製造業は一般的に男性が多く、3K(きつい・汚い・危険)を連想されることも少なくありません。同じ機械でもカラーリングが違うことで、機械を扱うことに対する抵抗感が小さくなり、女性も機械を扱いやすくなるのでは、と思います。今後、労働人口の減少が考えられる中で、男性も女性も関係なく活躍できる会社にしていきたいと考えています。その点でピンク色のMX-330 PC10 がその象徴になることを期待しています。」と平本社長。

MX-330 PC10 の導入

昨今は人材不足が続いており、年々人材採用が難化しています。その課題に対して、MX-330 PC10 導入によるビジョンを平本社長は次のように語ります。

「採用難の時代に男性ばかりを対象にしていたのでは、ますます採用が困難になるばかりです。MX-330 PC10で加工できるワークサイズは女性も扱い易いサイズであることから私が描いているビジョンに当てはまりました。」

「またパレットチェンジャーを備える同機種であれば、難なく夜間無人運転を実現できるイメージができたこともこの機種を採用した理由の1つです。PC10 に対して1パレットあたり約10本の工具を使用することを見越し、ATCは90本仕様を選択しています。

MX-330 PC10 はこの他にも朝のランニング運転の際に自動で電源が入って稼働することができることや、最後の加工品が終わると同時に自動で電源がオフになる機能も備えており、無人で制御してくれるだけでなく、省エネルギーといった環境性能が高いことも優れている点だと感じています。」

GibbsCAMを活用

同社ではMX-330 PC10 の設備に合わせGibbsCAMも導入いただきました。導入にあたり、平本社長は「GibbsCAM の画面を初めて見たときに、使い易そうなインターフェースをしていて、なんとなくですが使いこなせそうなイメージを持てました。

マツウラが取り扱うCAD/ CAMを導入しているからこそ、マツウラのマシニングセンタやパレットチェンジャーと連動性が高く、安定して稼働させることができています。導入当初からサービス員による親切なレクチャーがあったことで、現時点においてもGibbsCAM の利用において不安な点は1つもありません。」と話します。

同社で働く外国人実習生

同社での外国人実習生の採用に関して平本社長は次のように語ります。

「当社ではインドネシア出身の実習生を2名雇用しています。ふと、自分の子どもが3年間海外に仕事に行ったとしたら、その内容を知る機会を得ることは難しいのでは、と思いました。彼ら2人を主役とした思い出づくりを行い、その様子を母国にいる家族に伝えたい、という思いから「くだらないものグランプリ」※に出場を決めました。大会出場にあたり、モノづくりだけでなく、2人に関西弁でコントを仕込み、大会当日だけではなく準備期間も含めてこのイベントを楽しんでもらったと思います。

私が外国人実習生を採用する際、将来的に日本と関わりながら仕事をしたいという想いを持つ実習生を採用したいと考えていました。そのうえ、受け入れている彼らはそれぞれ経営者となって実現したい夢を持って来日しています。彼らに伝えていることは、立派な経営者になる為には、自身がしっかりと従業員の役割を理解し、いろんな経験をしなさいと伝えています。具体的には自身が社長になった際に社員にどのようなチームミッションを掲げるか、ミッションを実現する為に、どのような役割をもって達成させるのかを理解してもらいたいと思っています。現在、彼らの一番身近な経営者は私になるので、私から1 つでも多く学んでもらって彼らが帰国後も平本精機で経験できてよかった、と思えるよう家族のように向き合って接しています。」

働き易い環境の実現

同社は2025年に新工場を建設、移転を行いました。その外観は工場をイメージさせない、カフェのような雰囲気です。新工場について平本社長は次のように説明します。

「従来の工場が手狭になり、次に社屋を建設する際には工場ではない工場をつくりたい、という想いがありました。社員などが心地良い空間を作り出すため、木造でつくられており、内装はハイブランドブティックの内装を手掛けるデザイナーがデザインしている点もこだわりの1つです。

また、工場の立地から奥に向かって60 ~70軒の家屋があり、毎朝の通勤・通学などで地域の人々がこの社屋をよく目にされると思います。この場所に平本精機が存在する意味を持たせるためにも新工場の建設にはこだわりました。」

「また、工場というと暑いことや油のニオイのイメージをされることもあるかと思いますが、冷暖房を完備し、切削油のニオイを抑制するために活水器を用いてバクテリアの発生を抑制し、特有のニオイが発生しにくい環境をつくっています。」

今後の展望と5軸機を検討の方へメッセージ

同社の今後の展望について平本社長に伺いました。

「今後の投資計画として、さらにもう1台のMX シリーズ導入も検討しております。より一層多くの受注対応が可能になる見通しのうえ、当社は鉄、アルミ、ステンレス加工に対応可能ですのでぜひお気軽にお問い合わせください。」

また、5軸機を検討されている方に向けて、次のように話します。

「5軸機の導入は、想像するほど難しくないと感じています。導入から半年ほどで安定して稼働できるイメージを持てたことから、今回の5軸機導入を決断しました。“5軸機は扱うことが難しい”と敬遠されている方も多いかと思いますが、その先入観を一度払拭し、検討されることをおすすめします。

また、価格面では確かに5軸機は大きな投資になります。稼働日数や稼働時間、生産個数などで購入金額を割ってみると、投資効果を具体的に把握しやすくなります。特にマツウラのマシニングセンタはパレットチェンジャーを搭載しており、この「割り算」で比較すると非常に高いコストパフォーマンスを発揮していることがわかります。そのうえ、マツウラのマシニングセンタは1台1台の機械がきっちりと丁寧に作りこまれていることを工場見学で目の当たりにしましたので、機械に対する安心感を得ることができました。その点からもマツウラの5軸機はおすすめだと思います。」

取材の際に終始、明るく対応していただいた平本社長と平本精機の皆様が非常に印象的でした。それを象徴するように社屋も明るくあたたかみにあふれた環境で、平本社長の働き易さへのこだわりを強く感じました。

また、飼育されている金魚も紅白の発色が鮮やかで凛としており、この飼育水にも活水器の特別な水を使用されているとのことです。なるほど、人も金魚も環境が良いと輝くものだな、と認識させられた取材でした。

今回のインタビューと工場風景の動画は、記載のQRコードを読み取り、ご視聴頂くことができます。また、当社ホームページでも公開中です。ぜひご覧下さい。

会社情報

会社名
株式会社平本精機 様
本社
〒518-1151 三重県伊賀市白樫1625
TEL:0595-51-7486 FAX:0595-51-9960
代表者
代表取締役 平本 充弘
創業
1986年
従業員数
8名
事業内容
産業機械、半導体装置関連などの部品製造・加工

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