トピックス
シングルorダブル
このコラムは、会長松浦正則(創刊当時は副社長)が始め、No.145号からは現在は社長松浦勝俊が引き継いで、日頃思っていることを、率直に、そして大胆に書き綴ったものです。
辛口な社長コラムをぜひご覧ください。
令和7年秋号のシングルorダブル
No.217クルマの販売が変わった
私は、Gearhead と呼ばれる大のクルマ好きです。小さい頃から家のクルマと言えば、黒塗りの4ドアセダン。「もっとかっこいいクルマがいいのになぁー」と思って育ちました。社会人になり、父に200万円借りて2ドアの国産スポーツカーを購入したのが始まりです。弊社に入ってからは、出来る限りユーザー(関連)のクルマをという方針でマニュアルのスポーツカーを中心に購入して来ました。時が経ち近年クルマの販売が、大きく変わったと感じています。
世界各市場でカーボンニュートラルへの政治的な関与もあり内燃機関の新車販売期限がある中で、EV に関しては中国勢を除いて販売は振るわず、かつインフラや再販市場も未成熟であり、結果、内燃機関やハイブリッド車が要望される現況があります。とは言っても内燃機関の新規大型投資も自動車メーカーにとって今後投資回収見通しは立て難く、現状設備の活用と将来のクルマの方向性を模索しながらメーカーもディーラーもビジネスモデルを思案していると思います。
そのような状況で感じるのは、クルマを売る側が随分と変わった点です。近年クルマの販売台数が限られ、購入希望者の方が上回っていることにより、本当に欲しい人達に中々クルマが回って来なくなりました。国産人気車もさることながら、欧州高級車には顕著に感じられます。内燃機関のスポーツカーや限定車の販売では、EVの抱き合わせ販売等の縛りがあったりすることも耳にします。資金力のある売却益目的の特定ユーザーに販売、その後ディーラーに売却、ディーラーは新・中古車で二度販売機会を得るというからくりもあるようです。それ故、新車同然の中古車に希少価値が生まれ、新車価格を上回って販売されていたりします。需給バランスと言ってしまえばそれまでですが、なんともいびつな構造です。
また物価高と円安傾向で販売価格は上昇の一途であり、
これまでの「国内価格」は「世界標準価格」へと姿を変えたと感じています。これはクルマだけのことではないですよね。益々、機会も価格もハードルが上がっていて、ビジネス上仕方のないことだとは思いますが、昔みたいに欲しい人達に欲しいものが手に入るような環境に戻らないものでしょうかね、難しいでしょうけど。