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ユーザーを訪ねて

2026年新春号のユーザーを訪ねて
No.203
コンパクトなMX-420 PC10で
株式会社 丸範 様
今回のユーザーを訪ねては、山形自動車道山形北インターチェンジから車で約5分の距離にある株式会社丸範です。取材には、創業者で取締役会長を務める伊藤隆様と代表取締役社長を務める伊藤洋輔様に対応頂きました。
同社は1978年に伊藤会長が同氏の奥様と2人で有限会社丸範製作所として創業。社名の由来は奥様の名前の1文字である「範」に丸で囲った様子から命名されています。創業当初は、削ることができるものは何でも受ける精神で賃貸のプレハブにて部品加工業を営んでいました。以降、金属部品加工において顧客の信頼を得るとともに、設備増強や工場増設を繰り返し、現在では8台の5軸マシニングセンタや13台の立形マシニングセンタ、3台の横形マシニングセンタを保有されています。
伊藤社長は高校卒業後、1994年に同社へ入社して某機械メーカーに出向し、NC課、機械課、組立課と製造職を経験後、2018年代表取締役社長に就任しました。
事業内容:鉄道関連・航空機関連などの金属部品加工
同社では、主に鉄道や航空機関連の金属部品加工を行っています。鉄道関連については、日本国内の在来線や新幹線、さらには海外に輸出される新幹線の内装部品を手掛けています。鉄道関連の部品を手掛けることについて伊藤会長は次のように話します。
「鉄道の内装部品は人が直接触れる為、加工面の小さなバリも許されません。お客様の厳しい基準をクリアすることで当社の技術力を向上させてきました。
また、鉄道関連の部品を手掛けることの良い点は、社員が自分のつくった製品を身近に感じることができるということです。自身が手掛けた品物が世の中で活躍していることを実感し、モノづくりを好きになってさらに良い品物を作ろうとする思いを持ってもらいたいですね。」
2010年にはJIS Q 9100を取得し、航空機関連の金属部品加工を開始しました。JIS Q 9100は航空宇宙・防衛産業に特化した品質マネジメントシステムに関する国際規格であり、当該産業に参入する為には必要不可欠な認証規格です。
「JIS Q 9100の規格は1年間赤字覚悟で認証取得に取り組み、承認機関BSKより取得が認められました。認証取得に際し、品質マニュアルを構築するにあたり、当社のモノづくりのノウハウを明文化し、品質に対するエビデンスを付与する流れを作ることに大変苦労しましたが、認証を成し遂げたことで組織的な力量が向上したと思います。認証取得以降は、巨大機エアバス社A380のビジネスクラス座面80席などを手掛け、航空機関連の内装部品についても生産を行うようになりました。」と伊藤社長。
率先垂範
同社の社是として、「率先垂範」、続けて「1.丸く、明るく、健康で」「1.模範を示す製品を…」「1.速やか、無駄なく、正確に」を掲げています。この社意を制定した伊藤会長は次のように説明します。
「社是の率先垂範には、人に先んじて模範となることを自然にやることができる、という人材を育てましょうという意味が込められています。また、「和を以て貴しと為す」の言葉のように、全員が和となり、まとまらなければ率先垂範を行うにしても無駄になってしまう為、一番大事なことを後に続く言葉で示しています。そして、社員全員が良い品物をつくろうという思いに繋がるよう、この社是を制定しました。」
MX-420 PC10 の導入
同社では2023年にMX-420 PC10を設備しました。導入検討にあたっては、マツウラのYouTubeチャンネルにある動画をご覧になったそうです。同機種の選定について伊藤社長は次のように話します。
「YouTubeに投稿されているMX-420の関連動画を見て、この機種に興味を持ち始めました。チャンネル内にある他の動画も参考にし、マツウラのマシニングセンタについて理解を深めることができたと思います。また、マツウラに関して工具メーカーなどに評判を聞くと、良い評判が多くありました。そのうえで、機械を設置できるスペースが限られていたことや、夜間無人運転を行いたかったことから、パレットチェンジャーが装備され、かつコンパクトな設置スペースであるMX-420 PC10の設備を決定しました。」
MX-420 PC10 の使い勝手
同社が設備するMX-420 PC10には、オプション装備としてPC10のパレットチェンジャーの他、予備パレット10枚と60本仕様のオートツールチェンジャーを搭載しています。当機種の使い勝手について、オペレーターを担当する福士さんと佐藤さんは次のように話します。
「予備パレットを持つことによって、段取作業が楽になりました。1度段取をしてしまえば、治具を付けたままパレットごと保管できるため、リピート品について迅速に対応することが可能となりました。そういった意味では、予備パレットの枚数に関してはもっと多くても良かったと感じています。また、当社では5軸加工を最大限活用する為に工夫した治具の製作に注力しています。あらゆる方向から加工できるように治具を設計し、効率化に繋がっています。」
「パレットチェンジャーについては、他社の機械と比較してワーク交換速度が速く、動作音も静かな点が良いです。マツウラのパレットは他社製と比較して軽くできており、パレットチェンジャーのドアが大きく開口する為、簡単にパレットを交換できる点も魅力に感じています。」「加工精度においては、常に高い精度で部品加工を行うことができ、精度の安定性に対して信頼できるマシニングセンタだと感じています。」
「MX-420 PC10の扱い易さに関しては、万が一、機内でワーク等が挟まってしまうなどの異常が発生すればアラート音とともに機械も即座にストップする為、ミスが起きにくく安心して利用することができます。操作の際には、次の操作について画面上に指示が表示される点や、機内の切粉を見つけ易い・除去しやすいといった点など、総合的に使い勝手の良い機械です。」
今後の展望について
同社の今後について、伊藤社長は次のように語ります。「将来的には社員が過ごしやすい環境を整備するべく、会社の体力をしっかりと蓄えていきたいと思います。設備投資につきましても、お客様は当社が手掛ける品物を見て当社を選んでいただいていますので、品質や技術を高める投資を進めていきます。
社業としましては、既存のお客様を引き続きしっかりと対応していくとともに、東北に限らず全国から金属部品加工でお困りのことがあれば、新たなお客様からもぜひ仕事をお受けしたいと考えています。当社は特にアルミ部品の5軸加工を得意としておりますので、お気軽に株式会社丸範までご相談いただけますと幸いです。」
同社では福利厚生の一環として、忘年会は北海道札幌市など会社から離れた地で行うそうです。これは会社の方針として、人との繋がりを大切にしたいということや、旅行の際に鉄道や航空機に触れて自身の手掛ける製品が世の中で活躍していることを実感してもらいたい、という想いがあるようです。
取材中も社員の皆さん同士が和気あいあいとされており、皆さんが家族のように一体感をもってモノづくりに取り組まれている印象を受けました。人が直接触れる部品を加工している企業だからこそ、人を大事にしていることが伝わりました。
今回のインタビューと工場風景の動画は、記載のQRコードを読み取り、ご視聴頂くことができます。また、当社ホームページでも公開中です。ぜひご覧下さい。
会社情報
- 会社名
- 株式会社 丸範 様
- 本社
- 〒990-2211 山形県山形市十文字韮窪北3440
TEL:023-686-4014 FAX:023-686-2238 - 代表者
- 取締役会長 伊藤 隆
代表取締役社長 伊藤 洋輔 - 創業
- 1978年8月
- 従業員数
- 22名
- 事業内容
- ・精密加工部品の一貫受注生産
・航空、鉄道の内装品加工および組立




