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OVERRIDE1000%

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(松浦取締役コラム)

令和8年夏号のOVERRIDE1000%

令和8年夏号

 「日本人は、部分最適の改善にかけては世界で超一級だ。その日本人に全体最適化の手法を教えてしまったら、世界経済が大混乱に陥る。」世界的にベストセラーとなったビジネス書『ザ・ゴール』の日本語版が出版されたのは、原書の発売から15年後の2001年でした。著者が、日本企業が強くなりすぎることを懸念し、その出版を長らく認めなかったためだそうです。もしこの話が本当なら、我々の成長の鍵は全体最適にある、と考えたくなります。

 全体最適という言葉自体は、聞こえは良いものの、具体性を伴わないまま使われがちな言葉でもあります。言葉を盲目的に唱えるのではなく、その考え方を組織の具体的な課題に落とし込み、それを解決するための行動や仕組みへとつなげることが重要です。本書では、その鍵となる考え方としてボトルネックの重要性が語られます。会社全体のスループットを制約しているボトルネックを特定し、他の部署やプロセスはそのボトルネックに合わせて運営・投資を行う。これこそが全体最適につながるという考え方です。しかし、会社組織では各部署が複雑に影響し合っており、真のボトルネックを見つけ出すこと自体が難しいです。さらに、一つのボトルネックを解消してスループットが向上すれば、新たなボトルネックが別の場所に現れます。ボトルネックを見つけ、改善し、また次を探す。この終わりのないサイクルこそが、経営者にとって永遠のテーマなのかもしれません。

 『ザ・ゴール』は、閉鎖の危機に直面した工場を立て直そうと奮闘する工場長を主人公にした小説です。在庫、コスト、評価指標といった身近なテーマを通じて、部分最適の罠を非常に分かりやすく教えてくれます。興味があれば、ぜひ一度読んでみてください。ストーリー仕立てなので読みやすく、経営や組織運営について多くの気づきを与えてくれる一冊です。

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