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OVERRIDE1000%

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(松浦取締役コラム)

令和8年秋号のOVERRIDE1000%

令和8年秋号

 最近、北米への出張で印象的だったのが、生成AI を使ってSaaS 系のサービスを自作する人の多さです。それもIT企業ではなく、身近なグループ会社や町工場規模のユーザーまで、自分たちに必要なシステムを作っていました。

 「生成AI がシステム系の仕事を奪う」という話は以前から聞いていましたが、実物を見ると、その意味がよく分かります。これまで専門家に依頼していたようなものを、素人でも数日で形にできる。これはかなり革命的です。弊社にも十分に使いこなせていないSaaS があり、中には年間のランニングコストが1,000万円を超えるものもあります。必要な機能を独自システムで代替できるなら、経営者にとって非常に魅力的な選択肢です。

 工作機械の世界でも、少し前までは「これからはハードではなくソフトが付加価値を決める」とよく言われていました。ところが生成AIによって、システムやインターフェースを作るハードルが一気に下がっています。制御機器メーカーもAI 実装を進めており、近い将来、標準的な操作画面やインターフェースは、工作機械メーカーが一から作らなくてもよくなるかもしれません。

 私は「工作機械の未来をどう予測しますか」と聞かれることがありますが、これまでは「正直、分かりません」と答えてきました。今なら一つだけ、「メーカーがフロント側のソフトウェア開発から解放される日が来るかもしれない」と付け加えます。そうなったとき、改めて問われるのはハードの価値です。長年使える信頼性なのか、短期間で更新できる安さなのか。それとも、まだ別の価値なのか。生成AIはソフトウェアの世界だけでなく、エンジニアリング企業が何を強みにすべきかまで変えようとしています。今まさに、大きなターニングポイントにいるのかもしれません。

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