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ユーザーを訪ねて

2026年秋号のユーザーを訪ねて
No.206
製品カテゴリ:No.201~No.250MX SeriesMX-520
新たな設備や技術を柔軟に取り入れ、モノづくりの可能性を広げる
株式会社 中島ターレット 様
今回の「ユーザーを訪ねて」では、JR海老津駅から徒歩25分の場所にある株式会社中島ターレットを訪問しました。取材には、代表取締役 中嶋宏太朗様と取締役会長 中嶋英二郎様、第2製造課課長 豊田悟志様にご対応いただきました。
同社は1964年、北九州市八幡西区築地町で「中島ターレット工業所」として中嶋實氏が創業しました。創業当初は4名で事業を開始し、ターレット旋盤を導入して、「引き出し物加工」を中心に手掛けていました。
その後、時代の変化やお客様のニーズに合わせて設備を増強し、1991年にはそれまで複数の拠点に分散していた生産機能を現在の岡垣町に集約しました。生産拠点を一箇所にまとめることで、材料や製品、人員の移動を効率化し、現在の生産体制を築いています。
現在は、半導体製造装置部品をはじめ、産業機械部品、ロボット関連部品、モーター関連部品、航空機部品など、幅広い分野の部品加工を手掛けています。
事業内容と同社の強み
同社の特徴の一つは、充実した設備と、それらを最大限に活用する技術力です。
約130台の工作機械を保有し、NC旋盤やマシニングセンタ、横形マシニングセンタ、5軸加工機など、多種多様な設備を取りそろえています。これらの設備を活用し、多品種少量生産に対応できる体制を整えるとともに、難易度の高い加工にも積極的に取り組んでいます。
また、設備の充実に加え、長年の加工経験を通じて培われた技術やノウハウも同社の強みです。豊富な設備と確かな技術力を組み合わせることで、高品質な加工と短納期への対応を実現しています。
JIS Q 9100取得を契機に、航空機分野へ挑戦
同社の事業展開において、大きな転機となったのが航空機分野への参入です。
航空機部品の加工に取り組むにあたり、JIS Q 9100を取得しました。取得に向けて、加工工程や品質管理に関するルールを明確化するとともに、作業内容を文書化し、チェックシートなどを活用した管理体制を整備しました。
こうした取り組みを通じて、これまで現場で培ってきた経験やノウハウを、誰もが理解できる形に整理。品質に対する意識にも変化が生まれたといいます。作業者自身が「なぜこの作業を行うのか」「どのような点に注意する必要があるのか」を考える機会が増え、品質管理への理解も深まりました。
航空機分野で求められる厳格な品質管理を通じて培われた考え方や仕組みは、航空機部品にとどまらず、他分野の部品加工にも生かされています。
マツウラとの出会い
マツウラとの出会いは、CAD/CAMの導入がきっかけでした。
同社が初めてCAD/CAMを導入する際、選定の決め手となったのは、近隣の取引先で実際にGIBBSCAMを使用している企業からの評価でした。
その後、航空機部品などの加工に取り組む中で、5軸加工に対応したCAD/CAMが必要となりました。こうした中、マツウラの担当者が加工やプログラムに関する相談に親身に対応したことが、同社との信頼関係を深めるきっかけとなりました。
実際に、プログラム上の問題を解決するため、マツウラの担当者が長期間にわたり同社の現場に入り、対応したこともあったといいます。こうした現場に寄り添ったサポートの積み重ねが、現在の取引関係につながっています。
5軸加工の可能性を広げたMX シリーズ
同社が初めて導入したマツウラの5軸マシニングセンタが、2010年に導入されたMX-520 です。機種選定の決め手となったのは、先行導入していたGIBBSCAMとの親和性の高さに加え、当時のマツウラ営業担当者に対する信頼でした。
MX-520 の導入により、従来は複数回の段取り替えが必要だった加工を、一度の段取りでまとめて行えるようになりました。工程の集約によって段取り時間が短縮されるとともに、加工精度の安定化にもつながっています。
また、5軸加工を活用することで、従来の3軸加工では難しかった形状にも対応できるようになりました。加工可能な製品の幅が広がったことも、MX-520 導入の大きなメリットです。
さらに、2016年にはMX-520 を増設。加工を特定の1台に集中させるのではなく、複数台で対応できる体制を整えることで、生産能力の向上に加え、設備停止時のリスク低減にもつながっています。
MX-520の使い勝手について
MX-520 について同社から評価いただいている点は、分かりやすい操作画面に加え、円形テーブルの採用により、主軸をワークや治具に接近させやすい構造を備えていることです。また、レーザー式工具長測定機能は、工具長を高精度に測定することで、安定した加工精度の実現を支えています。
さらに、同社のMX-520 には、オプションのロータリーテーブルダイナミックフィクスチャオフセット機能が搭載されており、ワークの芯出し作業を容易にしています。60本のツールマガジンを備えているため、前工程で使用した工具を搭載したまま、別のワークの段取りを進めることができ、段取り時間の短縮にもつながっています。
今後の展望について
同社の今後の展望について、中嶋社長は次のように語ります。
「今後は、既存のお客様により良い製品を提供できるよう努めるとともに、さまざまな分野のお客様との取引を拡大し、事業の柱を増やしていきたいと考えています。これまで培ってきた精密加工技術を生かしながら、新たな加工分野にも積極的に挑戦していく方針です。
特に航空機分野への取り組みについては、単に売上の柱とすることだけを目的としているわけではありません。同分野で求められる品質管理や管理能力を身に付け、それらを既存のお客様への対応にも生かしていくことを重視しています。
経営面では、部門ごとの部分最適にとどまらず、会社全体の視点で判断・行動できる組織づくりを進めています。プロジェクトチームのような組織運営の仕組みも検討しながら、社員一人ひとりが付加価値の向上を考え、お客様に喜ばれる仕事を生み出せる体制を目指しています。」
航空機産業への参入には、中嶋会長の熱い想いも大きく影響していたようです。
幼少期、近所に航空機に詳しい方がいたことをきっかけに、航空機のプラモデルを作るようになったという中嶋会長。やがて製造業の道へ進み、「この道に進んだからには、せっかくなら航空機関連の仕事に携わりたい」という想いを抱くようになりました。
取材の中で、航空機に対する想いを尋ねると、中嶋会長は「航空機は機能美の極致。モノづくりの頂点だと思います」と語ってくださいました。航空機への憧れとモノづくりに対する情熱が、同社の航空機産業への挑戦、そして日々のモノづくりを支える原動力の一つになっていると感じました。
今回のインタビューと工場風景の動画は、記載のQRコードを読み取り、ご視聴頂くことができます。また、当社ホームページでも公開中です。ぜひご覧下さい。
会社情報
- 会社名
- 株式会社 中島ターレット 様
- 本社工場
- 〒811-4222 福岡県遠賀郡岡垣町戸切379番地の1
TEL:093-283-3030 FAX:093-283-3028 - 水巻工場
- 〒807-0056 福岡県遠賀郡水巻町伊左座5丁目19番地の17
- 代表者
- 代表取締役 中嶋 宏太朗
- 創業
- 1964年10月
- 従業員数
- 114名
- 事業内容
- 半導体製造部品加工、精密機械部品加工、 航空機部品加工、品質管理




